しいたけ(ハラタケ目キシメジ科)

しいたけ(ハラタケ目キシメジ科)

category:調味料の知恵袋

2017年12月12日

 

しいたけは食用きのこの代表の1つで、日本の精進料理・鍋物・煮物に、また琉球料理では中身の吸い物やイナムドゥチなどには欠かすことのできない食材です。

しいたけの原産地はアジアの熱帯高地と推測されています。

中国では古くから食べられていて14世紀の「王禎農書」には栽培法が載っています。

日本では鎌倉時代に食べられていたようで「典座教訓」には「日本の僧が中国に留学していたときに、地元の老僧が乾しいたけを買いに来た。」という逸話が残っているそうです。

室町時代にはしいたけを将軍に献上したという記録もあるそうです。

生しいたけの産地は、徳島県、岩手県、北海道です。

乾しいたけの産地は大分県、宮崎県、熊本県、岩手県です。

現在しいたけの栽培方法には、「原木栽培」と「菌床栽培」の2種類があります。

原木栽培は、自然と変わらない栽培方法です。

クヌギやコナラの木を、秋に伐採し、乾燥後約1mの長さに玉切りします。

これを原木にして、翌春しいたけ菌を植えて、森林内に伏せこみます。

しいたけ菌は森林内で1年半から2年もの年月をかけ、原木内に菌糸を伸ばします。

そして、気温が約18℃(春・秋)になると、しいたけが発生します。

原木栽培のしいたけは、歯ごたえがよくうま味があり主に乾しいたけとして販売されています。

一方、菌床栽培は人工的な栽培方法です。

おがくず・米ぬか・栄養剤などを加えた培地にしいたけ菌を植え、栽培施設内で作ります。

3ヶ月から5ヶ月程度でしいたけが発生します。

原木栽培と比べると栽培期間が短く、大量生産が可能で価格は低いです。

日本産の乾しいたけは原木栽培で、中国産の乾しいたけは菌床栽培です。

その違いは、乾しいたけを水に戻したときに日本産は元の重さの約8倍に増えますが、中国産は5倍前後にしか増えません。

乾しいたけの美味しさは、うま味・香り・食感にありますので、日本産の方が中国産よりも美味しく味わえます。

先月、埼玉県所沢市の栗原しいたけ園を視察しました。

原木栽培でのしいたけ栽培は手間と時間がかかり体力が必要ということが分かりました。

栗原しいたけ園では原木栽培を主流にしていますが、一部菌床栽培を取り入れて収入アップを図っています。

昨年は、沖縄県名護市のNA-BA生産企業組合で菌床栽培でのしいたけ生産を視察しました。

以前は原木栽培でしたが、従事者の高齢化と原木の減少により菌床栽培に切り替えたそうです。

菌床栽培しいたけの生産拡大と後継者育成に取り組んでいるとのことでした。

生しいたけはそのままさっと焼いてレモン汁をかける、椀だね、鍋物、天ぷらなどに用います。

乾しいたけは、傘の開き具合によって2つに大別されています。

傘が7部開きになる前に採取された肉厚で丸みを帯びたものを「冬菇(どんこ)」、傘が7部開きになってから採取した傘が薄いものを「香信(こうしん)」と呼びます。

冬菇は煮物や鍋物に使い歯触りを楽しみます。

香信は炊き込みご飯や炒め物などの風味を楽しむという使い分けをします。

乾しいたけ(乾燥)の栄養成分は、100g当たりエネルギー182kcal、たんぱく質19.3g、脂質3.7g、炭水化物63.4g、カリウム2100mg、リン310mg、ビタミンD 12.7 μg、葉酸240μg、食物繊維総量41.0gです。(日本食品標準成分表2015年版 )

栄養素の特徴は、カルシウムの吸収を助けるビタミンD含有量が多く、またコレステロールや発ガン物質等を排泄させる食物繊維も多く含みます。

更にナトリウムの排泄を促し血圧を下げるカリウムが多く含まれています。

機能成分については、エリタデニン(血中の総コレステロール値を下げ、血圧を下げる)やβグルカン(免疫活性作用でガンを予防する抗腫瘍性とインフルエンザなどの感染症を予防する効果)、レンチナン(抗ガン作用、体の免疫力を高める)が豊富に含まれています。

うま味成分は、グアニル酸が主体です。

生しいたけには少なく、しいたけを乾燥させて、更に水で戻して加熱調理すると増加します。

しいたけをだしとして使う場合は、必ず乾しいたけが利用されるのはここに理由があるのです。

しいたけには特有の香り成分があります。

その中でも料理のうま味を強調させる香り成分としてレンチオニンがあげられます。

レンチオニンは、生しいたけを乾燥させることで生成されます。

レンチオニンは、すまし汁や茶碗蒸しになどに微量を加えるだけで、しいたけの香りをアップする力があります。

選び方は、乾しいたけの場合はよく乾燥していることです。

傘の表面は茶褐色でシワは少なく艶があること、傘の裏は淡黄色のものが良品です。

乾しいたけの戻し方は、しいたけをさっと水洗いし5℃の冷水につけて冷蔵庫で約6時間から24時間戻します。うまみ成分のグアニル酸がたくさん出ます。

温水で戻したり、砂糖を加えたり、電子レンジで戻すとグアニル酸が発生すると同時に別の酵素がグアニル酸を破壊してしまいます。

保存は、乾しいたけの場合、乾燥材の入った密閉容器に入れて冷暗所または冷蔵庫に入れましょう。

生しいたけと乾しいたけは、調理前に30分から1時間天日干しすると、ビタミンDが10倍に増えうま味もアップします。

沖縄県の乾しいたけの1年間の消費量は、全国で第3位(香信国産品・並9.9個)です。因みに生しいたけは第47位です。(平成28年総務省統計局「家計調査」)

機能性成分を多く含んだ日本産乾しいたけを上手に食生活に取り入れ、健康に役立てましょう。

 

山城 尚子

<管理栄養士・ソルトコーディネーター・だしソムリエ>

 第1回「石垣島ピパーツレシピコンテスト」石垣市観光協会長賞、第27回新報音楽コンクール第2位(声楽)。
 沖縄の塩の美味しさと素晴らしさを伝えたいと、積極的に塩を紹介しています。塩は料理のまとめ役で、食材と塩の組み合わせが良いと、塩の量を少なくでき、美味しさがアップします。
 沖縄県民の健康を願い、美味しくキレイに痩せるダイエット料理や料理の基本となるだしを使った風味豊かな料理を提案しています。栄養と音楽と美容の三本柱で活動していきます。沖縄の心を料理で表現したいと心がけています。

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