沖縄の野菜 島ニンジン(セリ科 ニンジン属 )

沖縄の野菜 島ニンジン(セリ科 ニンジン属 )

category:料理のあれこれ

2018年1月09日

沖縄のスーパーでは季節野菜の島ニンジンが出回っています。

昔から滋養食として島ニンジンとレバーや赤肉等を一緒に煮込んだ汁物「チムシンジ」(豚レバーの汁)が親しまれてきました。

ニンジンは中央アジア原産の1年生作物です。

17世紀以前に中国から東洋型(長根型)が伝わり、明治初期にはヨーロッパ型(短根型)が伝わりました。

アジア型は「金時」と呼ばれ、根色は鮮紅色やだいだい色から黄色まであります。

島ニンジンは、東洋型の品種です。

方言でチデークニ(黄色い大根)と呼ばれ、ゴボウのように細長く、出荷されているものの根長は25~30cm、根径は2.5~3cmです。

ほのかな甘みと独特な香りをもち、また肉質が柔らかいので火が通りやすいのが特徴です。

イリチー(炒め煮)やチャンプルーや煮物、汁物、天ぷら、漬物などに使われます。

独特の香りが気になる場合は、味噌で調味しましょう。

また、西洋風にクリーム煮やグラタンなどの料理にも合います。鮮やかな黄色を活かしたサラダにも向きます。

 

収穫時期は10月~3月です。沖縄県だけで栽培されています。主な産地は中城村、糸満市、渡名喜村です。

 

昨年、中城村は11月11日を「島ニンジンの日」と制定しました。村の各農家が系統選抜を繰り返して「黄色細長系」が主流となり、「中城チデークニ」として長い歴史をもつ特産品と位置付けられてきました。

 

現在の市場では、黄色の島ニンジンとだいだい色の島ニンジンが出回っています。島ニンジンは本来黄色ですが、太陽の光や室内の人工光下では葉緑素が活性化して根が緑色になり品質が低下します。

 

黄色い島ニンジンの中に変種としてだいだい色の島ニンジンが出てくることがあります。このだいだい色の島ニンジンは、形態的には黄色の島ニンジンと同じですが、味、香りはヨーロッパ型ニンジンに近づいているとのことです。だいだい色の島ニンジンは緑化の変色が少ないこともあって、市場単価が次第に高くなってきているそうです。その結果、中城村の島ニンジン栽培面積の8~9割がだいだい色系統になり、黄色の島ニンジンが中城村から消滅しかねない状況になっているそうです。

 

中城村では、2015年から琉球大学に種の選別法や営農方法の確立の研究を委託し、また県農業研究センターでは光を浴びても緑化しにくくなるフィルムの開発を進めており、伝統的な黄色の島ニンジンのブランド化に向けた取り組みを進めています。

 

島ニンジンの栄養成分は、100g当たりエネルギー32kcal、たんぱく質1.1g、脂質0.3g、カリウム427mg、カルシウム39mg、リン46mg、鉄2.3mg、カロテン80μg、ビタミンC 21 mg、食物繊維3.2gです。(平成18年『沖縄の伝統野菜等と食材』p.67 中城商工会 琉球大学教育学部上江洲榮子分析より)

 

栄養素の特徴は、カロテンが豊富に含まれています。カロテンは体内でビタミンAに変化します。主な働きは皮膚の新陳代謝、紫外線による皮膚の老化防止、生活習慣病の予防、肌の老化予防、視力を正常に保つなどです。油と一緒に調理すると吸収がアップします。表皮のすぐ下にカロテンが多いので皮はむかずにきれいに洗って使いましょう。

 

黄色の色素は、キサントフィルという体内で赤血球に分布し、老化や生活習慣病の原因となる活性酸素の障害から赤血球を守る機能成分が含まれています。

 

選び方は、葉付きの場合は活き活きと元気のよいもの、根はハリやツヤのあるものを選びましょう。

 

保存は、濡らした新聞紙などでくるみ、冷蔵庫の野菜庫に立てましょう。

 

見ても食べても美味しい滋養豊かな島ニンジンを、家庭料理に活用しましょう

山城 尚子

<管理栄養士・ソルトコーディネーター・だしソムリエ>

 第1回「石垣島ピパーツレシピコンテスト」石垣市観光協会長賞、第27回新報音楽コンクール第2位(声楽)。
 沖縄の塩の美味しさと素晴らしさを伝えたいと、積極的に塩を紹介しています。塩は料理のまとめ役で、食材と塩の組み合わせが良いと、塩の量を少なくでき、美味しさがアップします。
 沖縄県民の健康を願い、美味しくキレイに痩せるダイエット料理や料理の基本となるだしを使った風味豊かな料理を提案しています。栄養と音楽と美容の三本柱で活動していきます。沖縄の心を料理で表現したいと心がけています。

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