ウスターソース

ウスターソース

category:調味料の知恵袋

2018年1月23日

ウスターソース

日本では一般的に「ソース」という時はウスターソース類をいいます。

ウスターソース類の中には、ウスターソースや中濃ソース、濃厚ソースがあります。

「ウスターソース」といえばその中で粘度の低いウスターソースを指します。

ウスターソースの起源は諸説あります。

その中の一説には、19世紀の初め頃にイギリスのウスターシャー州・ウスター市の主婦が、余った野菜や果物の切れ端を塩・胡椒・食酢などを加えて壺に保存しておいたところ、ソースができていたことが始まりとされています。

また、1835年頃にマーカス・サンデー卿がイギリスの植民地であったインドからインド・ソースの作り方を持ち帰り、薬剤師であったジョン・W・リーとウィリアム・ペリンズにそのソースの試作を依頼しました。

そして新しいソースが完成し、好評を博したので「ウスターソース」の名称で製造・販売が開始されました。

後に世界初のウスターソースの製造会社として設立し、現在もウスター市でリーペリン社として盛業しています。

日本に初めてウスターソースが登場したのは、19世紀末の明治時代です。

初めは日本人の口に合わず製造を中止するほどでしたが、1894年大阪で「三矢ソース」が発売され「洋式醤油」として人気を博し、その後に次々と新しいソースが発売されました。

初期のソースはウスターソースのみの販売でした。

粘度の高い濃厚ソースは、1948年に神戸の道満調味料研究所(現オリバーソース)によって発明され、中濃ソースは1964年にキッコーマンから発売されたものが始まりです。

その頃から日本の食の洋風化が進み、消費量が拡大し、多くの家庭の常備調味料となりました。

イギリスの最初のウスターソースは、モルトビネガー(ビールが酢になったようなもの)などの食酢やアンチョビ、タマリンド、エシャロット、タマネギ、ニンニク、香辛料、糖類、塩などを原料にしています。

日本のウスターソースではアンチョビは使用されず、タマネギ、トマト、ニンジンなどの野菜や果実類に糖類や食酢、食塩、香辛料、でん粉、カラメルなどを加えて作ります。

日本製は甘く、辛味や酸味は弱く、とろみが強いという特徴があります。

イギリスでのウスターソースの使い方は、シチューやスープ、肉料理などを作るときに、味や香りづけに数滴落とし隠し味程度に使います。

またトマトジュースにも少量入れて飲む習慣があるそうです。

日本ではトンカツや焼きそばのメイン調味料として使いますが、イギリス製を日本で同じように使うと味が濃く、辛過ぎることになるようです。

ウスターソースを使うときは、必ずびんをよく振って、そこにたまっている香辛料をよく混ぜるようにしましょう。

ウスターソース類はJAS規格上、粘度によって次の3つに分類されています。

また種類によって用途が違います。

(1)   ウスターソース

最もさらっとして粘度が低いです。

フライやお好み焼きなど調理した後にかけて使うことが多いです。

しっかりした味なのでカレーや煮込み料理に隠し味として少量加えることもできます。

(2)   中濃ソース

ややとろみがあり、ウスターソースよりは粘度が高く、濃厚ソースよりさらっとしています。

ウスターソースと濃厚ソースの中間のとろみがありピリッとした辛さとソフトな甘みがあります。

煮込み料理の味付けや肉の下味付けなどにも使えます。

(3)   濃厚ソース

とろみが強いソースです。

一般的には「とんかつソース」のことです。

トロリとした甘みと風味があります。

お好み焼きソースや焼きそばソース、たこ焼きソース、どろソースなども濃厚ソースに属します。

地域性があり、関東以北では中濃ソースが好まれ、近畿地域以西ではウスターソースや濃厚ソース、お好み焼きソースを分けて使うことが多いです。

沖縄県では、戦後長い間アメリカ軍の施政下におかれた影響で、イギリス製のA1ソースという酸味の強いソースを、今でもステーキにかけて食べています。

ウスターソースの栄養成分は100g当たり、エネルギー117kcal(大さじ1杯18gでは21kcal)、水分61.7g、たんぱく質1.0g、脂質0.1g、炭水化物26.8g、食物繊維総量0.5g、ナトリウム3300mg、カリウム190mg、カルシウム58mg、マグネシウム24mg、鉄1.6mg、ビタミンB6 0.03mg、ビタミンC 0mg、食塩相当量8.4gです。(日本食品標準成分表2015年版)

沖縄県のソース(濃厚ソース)の消費量の都道府県ランキングでは、1年間の消費量266mlで第47位です。(平成28年 総務省統計局 家計調査)

ウスターソースは、料理につけるだけではなく蒸し料理の調味料として使うと、味が決まり、食材がふんわり柔らかくなる、くさみ消しなどのメリットがあります。

使いこなしきれずに賞味期限をむかえることの多い調味料ですので、蒸し料理にも使ってみましょう!

山城 尚子

<管理栄養士・ソルトコーディネーター・だしソムリエ>

 第1回「石垣島ピパーツレシピコンテスト」石垣市観光協会長賞、第27回新報音楽コンクール第2位(声楽)。
 沖縄の塩の美味しさと素晴らしさを伝えたいと、積極的に塩を紹介しています。塩は料理のまとめ役で、食材と塩の組み合わせが良いと、塩の量を少なくでき、美味しさがアップします。
 沖縄県民の健康を願い、美味しくキレイに痩せるダイエット料理や料理の基本となるだしを使った風味豊かな料理を提案しています。栄養と音楽と美容の三本柱で活動していきます。沖縄の心を料理で表現したいと心がけています。

同じカテゴリの記事

同じカテゴリの投稿は見つかりませんでした。