煮干し

煮干し

category:料理のあれこれ

2018年7月10日

煮干し

今は煮干し漁の季節です。

だし素材としての煮干しは、かつお節よりもイノシン酸の含有量が多く、うまみも濃厚です。

煮干しは、魚介類を煮て干したものです。

煮ることで魚の筋肉に含まれるうまみ成分イノシン酸の分解が抑制され、うまみの含有量が高くなります。

煮干しの原料には、カタクチイワシ、ウルメイワシ、マイワシ、サバ、アジ、ノドグロ、イカナゴ、エビ、タイ、飛魚、貝柱などたくさんの種類があります。

その中でもカタクチイワシが代表的な煮干しの原料となっています。

カタクチイワシの漁は6月~7月が最盛期です。

産地は千葉県、長崎県、香川県、愛媛県、山口県です。

先月、瀬戸内海の伊吹島(香川県)に、カタクチイワシの煮干しの視察へ行ってきましたので、そのこともまじえて書きたいと思います。

伊吹島産カタクチイワシの煮干しの特徴は、漁場と加工場が非常に近く、漁獲から網元が一貫して生産することです。

鮮度落ちが早いカタクチイワシを、素早く加工することで、高品質の煮干しとなります。

カタクチイワシの漁は『二そう船びき網(パッチ網)』です。

カタクチイワシにできるだけストレスをかけず丁寧に、素早く獲る漁法です。

漁獲したイワシは、運搬船で網元の加工場前のさんばしに運ばれます。

それから船の中からイワシをフイッシュポンプで吸い上げ、加工場へ送ります。

簀(す)にイワシを並べて、きれいな海水を沸騰させた中で3~5分煮て、乾燥機に入れて5~12時間乾燥させます。

乾燥させた煮干しは大きさ別に選別し箱詰めされます。

伊吹島での煮干しの選別作業は、3~4人の婦人が手作業で行っていました。

煮干しの種類(銘柄)は、サイズにより大羽(8cm以上)、中羽(6~8cm)、小葉(4cm)、かえり(3~4cm)があります。

選び方は、頭や全体の形が整っていて、表皮は青みを帯びた銀白色で光沢のあるものが好ましいです。

身崩れや黄褐色に変色した煮干しを使うと、生臭みの強いだしになります。

また、背中が上の方にくの字に曲がった煮干しは最高の品質で美味しいと言われています。

保存は、開封したら密封して冷蔵庫や冷凍庫に置き、なるべく早く使いきります。

基本の煮干しだしの取り方です。

①   水1ℓにつき30~40gの煮干しを準備します。

②   水に煮干しを浸し、鍋を火にかけます。

③   微沸騰の状態で、アクをとりながら5~10分ほど煮出して濾します。

他には、①の煮干しを水に浸して一晩おき、水だしする方法もあります。

煮干しだしの特徴は、魚らしい香りがあり、うまみが強く濃い味付けや、個性的な野菜や肉類にも負けません。

使い方は、味噌汁、麺類(うどん、ラーメン、そば等)、煮物、鍋料理などです。ニンニク等の臭いの強い食材を使った料理などにも合います。

だしがらの使い方には、フライ、野菜と一緒にマリネ、天ぷら、和え物等があります。

カタクチイワシの煮干しの100g当たりの栄養成分は、

エネルギー332kcal、水分15.7g、たんぱく質64.5g、脂質6.2g、炭水化物0.3g、カリウム1200mg、カルシウム2200mg、マグネシウム230mg、リン1500mg、鉄18.0mg、ビタミンD18.0μg、ビタミンB1 0.1mg、ビタミンB2 0.1mg、ナイアシン16.5mg、ビタミンB12 41.3mg、葉酸74μg、食塩相当量4.3gです。(日本食品標準成分表2015年版 )

主な栄養の特徴は、カルシウムが豊富であることや、たんぱく質や鉄、ビタミンD、葉酸も多く含まれています。

煮干しの消費量の都道府県ランキングでは、沖縄県は全国第47位で年間10gとなっています。(2014年 総務省統計局 家計調査 )

沖縄県民には、食べなれない煮干しですが、新鮮で美味しい煮干しを選んで、だしを上手にとれば、きっと濃厚なうまみに魅了され煮干しだしのファンになるでしょう。

山城 尚子

<管理栄養士・ソルトコーディネーター・だしソムリエ>

 第1回「石垣島ピパーツレシピコンテスト」石垣市観光協会長賞、第27回新報音楽コンクール第2位(声楽)。
 沖縄の塩の美味しさと素晴らしさを伝えたいと、積極的に塩を紹介しています。塩は料理のまとめ役で、食材と塩の組み合わせが良いと、塩の量を少なくでき、美味しさがアップします。
 沖縄県民の健康を願い、美味しくキレイに痩せるダイエット料理や料理の基本となるだしを使った風味豊かな料理を提案しています。栄養と音楽と美容の三本柱で活動していきます。沖縄の心を料理で表現したいと心がけています。

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