「醤油」
醤油は、日本料理の基本となっている調味料です。
醤油は、「塩味」、「甘味」、「酸味」、「苦味」、「うまみ」の五味すべてをもっています。
「大豆+小麦+麹」に食塩水を加えて発酵させたものです。6~9か月前後の醸造で造られる日本独特の調味料です。
醤油の原料の基礎となる調味料は塩で、そこに発酵した素材が加わっています。
塩は保存のために入れますが、もし塩がなければ大豆と小麦の発酵物であり、だしになります。
醤油のルーツは、古代中国の醤(ひしお・ジャン)であるといわれています。
醤は広義に「食品の塩漬け」を指します。
醤には、草醤(くさびしお)、魚醤(うおびしお)、肉醤(ししびしお)、穀醤(こくびしお)などがありました。
醤油は、米・麦・大豆を使用した穀醤が原型といわれています。
日本に、醤が伝わったのがいつごろか明らかではありませんが、701年大宝律令によると宮内庁の大膳職に属する「醤院(しょういん)」で大豆を原料とする「醤」が造られていたとされています。
その後、信州の禅僧・覚心が1254年に中国から持ち帰った金山寺味噌の製法から、味噌作りが開始されました。
紀州・湯浅の村人にその製法を教えている内に、この醤からしみ出す汁がとてもおいしいことに気づき、今でいう「たまり醤油」になったといわれます。
紀州・湯浅で生まれた醤油の製法は、その後も発展しました。
1580年ごろには、日本で最初の醤油屋さんと思われる玉井醤が、味噌・醤油業を始めたといわれ、1588年には紀州から100石(約1800L)のたまり醤油が大阪に送られた記録が残っています。
現在、醤油を製造するメーカーは全国に約1500社あります。
醤油の主な生産地は、千葉県の野田と銚子で濃口醤油を作っています。
醤油にはたくさんの種類がありますが、日本農林規格(JAS)によって大きく5つに分類されています。
「濃口醤油」、「薄口醤油」、「たまり醤油」、「白醤油」、「再仕込み醤油」です。
醤油生産の約8割が濃口醤油で、単に醤油といえば濃口醤油を指すことが多いです。
店頭には、たくさんの醤油が陳列されています。
「丸大豆醤油」
普通の醤油は、脱脂加工大豆で造られているものが多いですが、丸大豆醤油と記載のものがあります。
これは、大豆を丸ごと使っているため、大豆の油分が含まれ、まろやかな甘みがあります。
「生醤油(なましょうゆ)」
醤油は基本的に火入れ(加熱処理)をして造ります。生醤油は、火入れをしないで造るので、搾ったままの新鮮なおいしさが味わえます。
鮮やかな赤色をしているので、煮込み料理より、さっと短時間加熱する料理に向いています。また、香りも味も穏やかです。
炒め物やチャーハンなどに使うのがおすすめです。
醤油の選び方ですが、「本醸造」(100%天然醸造)の表示のあるものを選ぶことが大切です。
また、うま味成分である窒素含有量が濃口1.5%以上、薄口1.5%以上のものにはJASマークとともに「特級」の表示があります。
醤油の保存は、開栓前なら常温保存でよいです。
開栓後は、冷蔵庫で保存します。醤油は空気に触れると酸化するので、香りや風味が保たれる1か月程度で使い切るのが理想的です。
沖縄県内にも醤油メーカーがあります。
沖縄特産のシークヮーサー入りの醤油や最近ピパーチ醤油(石垣・宮古島限定)も新発売されました。
沖縄県民(那覇市)1人が1年間に1.45Lの醤油を消費して、都道府県ランキングでは全国47位です。(総務省統計局「家計調査」平成28年結果)
醤油の役割には、次の6つがあります。
(1)味をつける。
(2)だしの風味・うまみ・香りを引き立てる。
(3)香ばしい風味をつける。
(4)塩味をやわらげる。
(5)肉や魚の生臭みを消す。
(6)色をつける。
(7)保存性を高める。
濃口醤油の塩分は100g当たり14.5g。薄口醤油は、濃口醤油に比べて色が薄いのですが100g当たりの塩分は16gと高いです。(日本食品標準成分表2015年版より)
また、最近では醤油をベースにした減塩醤油やだし入り醤油なども販売されていますので、健康面や嗜好によって使い分けることできます。
濃口醤油は煮物、薄口醤油は炊き込み御飯、たまり醤油は照り焼き、生醤油は野菜炒めなどと、料理によって使い分けることは醤油を上手に使い分ける方法です。
沖縄料理では、ラフテーには濃口醤油、ミヌダルはたまり醤油、野菜チャンプルーには生醤油と、使い分けると料理の美味しさも一段と豊かになるでしょう。
毎日の食事作りに醤油を活用し、特に夏場のこの時期は保存性がありかつ美味しいお料理を作りましょう。
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ムール貝とグリル野菜のタルタルソース
沖縄の夏野菜 ナーベーラー(和名:ヘチマ 科名:ウリ科)
ヘチマはゴーヤーとともに沖縄の夏には欠かせない食材です。味噌煮や炒め物、味噌汁の具、酢味噌かけなどに使われます。
ヘチマのまろやかな甘味は食欲をそそりますので、夏バテ解消に役立ちます。
沖縄県や九州の一部では、ヘチマの若い果実を野菜として栽培しています。
他の地域では、昭和初期にヘチマ果実の繊維から入浴用たわしや垢すりなどに用いる目的で栽培されていました。
ヘチマは、現在世界の熱帯や温帯地域で栽培され、また逸生したものが自生していますが、きわめて古くから栽培されていました。
そのために、原産地を特定することは難しいとされていますが、西部アジア地帯すなわちアラビア地方に発し、各地に伝わったものと考えられています。
中国へは、紀元600年ごろに伝わりエジプトでは10世紀ごろからアラビア語のLuffの名で栽培され始めたといいます。
我が国へは350年前くらいに中国を経て伝来しました。
沖縄へは、江戸時代前期に渡来したといわれています。
またヨーロッパへは1739年に入ったといわれます。
かつて日本は、ヘチマの重要な産地で、戦前から繊維用ヘチマの輸出が行われていました。
現在はブラジルが世界的産地です。
インドで、ヘチマはトカドヘチマとともにきわめて普通の野菜となっており、マレーをはじめ東南アジアでも栽培は普遍化しています。
沖縄方言(沖縄全域)では「ナーベーラー」、八重山方言では「ナベーラ」、宮古方言では「ナビャーラ」と呼ばれています。
ナーベーラーは、鍋羅(なべら)の意味で、羅(あ)み織られているような繊維で鍋を洗ったことに因み、中国語の別名洗鍋羅瓜からの派生といわれています。
沖縄県内の主生産地は、南風原町、八重瀬町、糸満市です。
特に、南風原町は食用ヘチマの生産量が日本一です。
南風原町で生産されるヘチマを「はえばる美瓜(びゅうりー)」と呼んでいます。「はえばる美瓜レシピコンテスト」などのイベントが開催されています。
ヘチマの旬は5月~9月です。
ヘチマの品種は、果実が1m以上になる長形種と25cm前後の短形種に分かれています。
長形種はヘチマ水とたわしの材料として使われ、短形種は食用として営利栽培されています。
食用には開花から2週間頃の若い実を使用します。
生育温度が10℃~40℃位と適用範囲が広く、草勢と根張りが強健であるので、沖縄では古くから、夏場の大干ばつにも耐えて生産される重要な作物です。
ヘチマの栄養成分(100g当たり)エネルギー16kcal、水分94.9g、カリウム150mg、ビタミンC5mg、葉酸92μgです。(「日本食品標準成分表2015年版」より)
ヘチマの機能性成分を利用したのが、ヘチマ水です。
ヘチマ水は、ヘチマサポニンを含み、皮膚細胞を活性化し、ほてりに効く抗炎症作用があります。
さらに硝酸カリウムが痰きりや咳止め、利尿効果があります。他にも、ペクチンや多糖類タンパク質(アミノ酸)を含み、肌に栄養と潤いを与えます。
中国の『本草綱目』(李時珍、1578年)に、ヘチマは「煮て食えば、熱を除き、腸を利す。(中略)風を去り、痰を化し、血を涼し、毒を解し」と記載されています。
民間療法では、昔から飲み物や塗り薬として用いられてきました。
飲み物では咳止めや利尿に効果があると言われ、塗り薬としては、あせも、ひび、あかぎれ、日焼けの後の手入れに使われてきました。
おいしいヘチマの選び方は、若い実を選ぶことが大切です。
小さくても熟したものは筋ができて食用として向かないです。
花のあとがみずみずしいものがよいです。
保存方法は、ヘチマの水分をキッチンペーパーで取り、その後新しいキッチンペーパーでくるんで、その上から新聞紙で包んで冷蔵庫で保存します。
早めに調理します。
ヘチマは傷つきやすいので、衝撃を与えないようにします。ビニール袋に入れると水滴がついて傷みやすくなりますので注意しましょう。
ヘチマ料理は、味噌で調味することが多いのですが、塩で調味するのも美味しいです。
株式会社青い海ホームページのレシピ集に「ヘチマとアサリの炒め物」が掲載されています。
チャレンジされてみてはいかがでしょう。
夏本番!ヘチマを食べて夏バテを予防しましょう!
九州豪雨災害のお見舞いを申し上げます
この度の九州豪雨により被災された皆様ならびにそのご家族の皆様に
心よりお見舞い申し上げます。
皆様の安全と一日も早い復興を心よりお祈り申し上げます。
株式会社青い海 社員一同