「みりん」

「みりん」

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スーパーマーケットにみりんを買いに行くと、「本みりん」と「みりん風調味料」の2種類が販売されています。

本みりんは、焼酎やアルコールに米麹と蒸したもち米を加えて熟成させ、濾したお酒の一種です。アルコール分は約14%もあります。

「甘味」、「苦味」、「うまみ」をもっています。

本みりんの起源は諸説あります。

16世紀頃に中国から「蜜淋(ミイリン)」という甘い酒が伝わったという中国伝来説や、

古くから日本に存在した「練酒」「白酒」に腐敗防止のために焼酎が加えられて本みりんになったという日本誕生説が代表的な説です。

日本の歴史の中で、本みりんは戦国時代には、甘い飲用酒類として、特に女性やお酒の飲めない人に飲まれていました。

江戸時代後期(19世紀)になると鰻のたれやそばつゆに使われ、だし調味料として使われるようになったそうです。

明治時代から戦前にかけては、一部の一般家庭での使用が始まりましたが、贅沢品であり、日本料理店で使用されることが多かったようです。

昭和30年代には、本みりんの大幅減税の影響もあって一般家庭にも普及し、わが国の代表的な調味料の一つとなりました。

本みりんは、アルコール分が高いので常温で保存しても腐敗や劣化をしません。

逆に、本みりんを冷蔵庫で保存すると糖分が結晶化して固まることがありますので、開栓後も直射日光の当たらない冷暗所で常温保存します。

みりん風調味料は保存性が低いので、開栓後は必ず冷蔵庫で保管します。

本みりんの調理効果には、次の6つがあります。

(1)料理を上品でまろやかな味に仕上げる。

(2)食材の表面にテリやツヤをつける。

(3)素材の煮くずれを防ぐ。

(4)料理に深いコクとうま味が生まれる。

(5)味がしみ込みやすくなる。

(6)魚や肉などの臭みを消す働きがある。

料理の時に、本みりんを入れるタイミングは、砂糖と同様に最初です。

塩や醤油よりも前に加えます。

但し、テリやツヤ付けでみりんを使う場合は最後に加えます。

アルコール分の少ないみりん風調味料の場合、醤油や味噌の後に加えます。

本みりんに含まれているアルコールのにおいは、料理の風味を損ないます。

そこでアルコールをとばすことを「煮きる」といいます。

本みりんを大量に使う場合や、和え物や酢の物など調味料を加えてから加熱しない料理を作るときは、できれば煮きってから使います。

ひと手間かかりますが、出来上がりの味に差がつきます。

煮物などに少量使うならば調理中にアルコール分がとぶので煮きる必要はありません。

一方、みりん風調味料はアルコール分1%未満ですので、本みりんのように煮きる必要はありません。

煮きる方法は、鍋に本みりんを入れて火にかけます。

沸騰したところで、鍋を傾けると、コンロの火が鍋に入り、アルコール分がとびます。

炎がこわい場合、一度沸騰させるだけでも十分です。

または、電子レンジを使って大さじ1杯を20秒位加熱する方法でもよいです。

但し、火をつけた方が、本みりんの一部が軽く焦げて香りがよくなります。

本みりんの栄養成分は100g当たり、エネルギー241kcal、水分47.0g、たんぱく質0.3g、炭水化物43.2g、塩分0g、アルコール9.5gです。(日本食品標準成分表2015年版)

みりん風調味料の栄養成分は100g当たり、エネルギー226kcal、水分44.0g、たんぱく質0.1g、炭水化物54.9g、塩分0.2g、アルコール0.8gです。(日本食品標準成分表2015年版)

みりん風調味料はみりんの類似調味料です。

米・米麹・酸味料・調味料をブレンドして作られます。

アルコール分は低く、糖度が高いためテリやツヤが出やすいです。

アルコール分が低く安価で手に入るので小さいお子様がいる家庭に向いています。

スーパーマーケットでは、「本みりん」と「みりん風調味料」が並んで陳列されていますので、それぞれの特徴によって選びましょう。

食欲の秋は、豊かな食材にみりんで上手に調味しましょう。

「昆布」

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夏の風物詩と言えば、沖縄ではゴーヤー・ヘチマ・マンゴーなどの青果物ですが、北海道では昆布漁です。

日本の昆布の生産量の約90%は、北海道産です。

昆布は地域によって採れる種類が違い、浜格差や等級などもあります。

昆布はそれぞれの特徴を生かした料理に使います。

次に代表的な昆布をあげます。

真昆布は、函館沿岸で採れ、肉厚で最上級品とされ、上品な甘みとコクがあり澄んだだしがとれます。

高級だしとして、佃煮や塩昆布などに使われます。

利尻昆布は、利尻島、礼文島、稚内沿岸で採れ、肉厚で赤褐色、高級品です。

やや塩味があり、澄んだだしがとれ、用途は真昆布と同じです。

京都の日本料理店で消費が多いです。

羅臼昆布は、羅臼沿岸でとれ、茶褐色で、濃厚な味で香りがよく、黄色みのあるだしがとれます。

高級だしとして、おやつ昆布や昆布茶の原料にも使われます。

日高昆布は、三石昆布とも呼ばれ、日高沿岸で採れます。

濃い緑に黒味を帯びた色で、薄めで柔らかいので火が通りやすいです。

家庭用のだしとして幅広く使えます。

また、煮て食べる昆布として煮物やおでん、昆布巻きなどに使います。

歴史を見ると、昆布と琉球(沖縄県)とのつながりが分かります。

鎌倉時代中期以降、北海道で大量に採れた昆布は、交易船に積まれ北海道の松前と本州の間を盛んに行きかうようになりました。

江戸時代には、北前船で瀬戸内海を通る航路で「天下の台所」大阪まで運ばれました。

この昆布が運ばれた航路のことを「昆布ロード」と言います。

昆布ロードは、江戸、九州、更に琉球王国(沖縄県)、清(中国)へ広がって行きました。

特に、江戸時代に琉球王国は薩摩藩(鹿児島県)と清を結ぶ中継地として、重要な役割を果たしました。

昆布ロードは、日本の食文化を広げた道でもあったのです。

昆布は、琉球を通して、中国へ渡りました。それは内陸部の風土病対策として必要だったのです。

中国は昆布が生育しない土地柄の為に、昆布に多く含まれているヨウ素(ヨード)が不足になりました。

それで、日本の昆布が大量に輸入されました。

今でも、沖縄の観光土産品店では、中国人観光客用として、北海道の昆布を並べている店があります。

昆布ロードによって、昆布の採れない沖縄に大量の昆布が持ち込まれたことによって、沖縄には昆布を使った料理が生まれました。

その代表的な料理は「クーブイリチー」(昆布の炒め煮)です。

沖縄で普通に食べられている昆布は「棹前昆布」(さおまえこんぶ)と言って、柔らかく、味がいいので食用として適しています。

他に昆布を使った料理には「ソーキ汁」(骨付豚のばら肉と昆布、冬瓜などをかつおだしで煮た汁物)があります。

また、昆布は豚肉や豚だしを組み合わせることで、うまみの相乗効果となって、アジクーター(濃厚な味でコクがあるという意味)な料理となります。

沖縄料理には欠かせない食材となりました。

現在、沖縄県内の大型スーパーマーケットでは、だし用の昆布よりも、煮て食べる昆布の方が商品としてたくさん陳列されています。

沖縄県民1人が1年間で昆布(だし昆布)を48g消費して、都道府県のランキングでは32位です。

(平成28年 総務省家計調査)昔のように昆布を料理に使わなくなったようです。

昆布(日高昆布・素干し)の栄養成分は、100g当たり153kcal、たんぱく質7.7g、脂質1.9g、炭水化物64.7g、食物繊維総量34.8g、カリウム3200mg、カルシウム560mg、βカロテン2700μg、ビタミンK270μg、葉酸310μg等です。(日本食品標準成分表2015年版)

昆布は海の野菜といわれるほど、ビタミン・ミネラルを豊富に含んでいます。

特に水溶性食物繊維(アルギン酸・フコイダン)を多く含んでいますので、ダイエットや大腸がんの予防、血糖の急激な上昇を抑える、血圧を低下させるなどの効果が期待できそうです。

沖縄の食文化には欠かすことのできない昆布を食べて健康に過ごしましょう!