カレー粉
カレーは大人も子供も大好きなメニューです。
カレーの土台であるカレー粉は、ウコンやトウガラシなど何十種類ものスパイスのブレンドから生まれた混合スパイスです。
カレー粉に使われているスパイスは色、香り、辛味を出すものの3つに大別されます。
色を出すスパイスならターメリック(ウコン)、サフラン、パプリカなど。
刺激性の芳香には、クミン、コリアンダー、クローブ、シナモン、カルダモン、フェンネル、オールスパイスなど。辛味には、チリ(辛味の強いトウガラシ)、コショウ、マスタード、ジンジャーなどです。
また、スパイスは香りと鮮度が大切です。
それぞれのスパイスの持ち味を十分に引き出すために、スパイスを挽く方法はとても重要となります。
カレー粉は18世紀頃にインドからイギリスに導入され、イギリスのクロス・アンド・ブラックウェル社が初めて開発・商品化しました。
「C&Bカレーパウダー」と名付けて販売したところ大評判になり、イギリスの家庭料理のひとつに「カレー」が加えられるほど普及したそうです。
このカレー粉を使うイギリスのカレーが、明治時代に日本海軍に伝わり、それを元に改良されたカレーライスが洋食として普及しています。
日本においては、1905年にハチ食品の前身(大和屋)が日本で初めてカレー粉を製造し、販売を開始しました。
1923年には、エスビー食品の前身(日賀志屋)が製造開始しました。
1960年代になると即席カレーの固形タイプが販売されて、一般的になりました。
それまでは、家庭ではカレーライスを作るのに、フライパンで小麦粉をバターで炒めてカレー粉を練り合わせてカレールウを作っていましたが、主婦にとっての手間を省くために固形ルウが販売されると手軽にカレーを作ることができるようになりました。
カレー粉はミックススパイスですので、スパイス以外の塩分やだしは入っていません。
そのため、調理の際は塩分とだしを加える必要があります。
市販のカレールウには、すでに塩分とだしが加えられています。
料理ではドライカレーやカレーピラフ、カレーうどん、タンドリーチキン、ドレッシング、スープなどのカレー風味の調味料として使われています。
また、魚などの臭み消しとして大きな効果を持つので、から揚げにまぶす小麦粉に少量混ぜるとよいです。
減塩メニューにも適しています。
香りと辛味づけの効果により、塩分を控えた料理も美味しく仕上がります。
それぞれのスパイスから得られる効果は、カレーを作らない限り微々たるものです。
しかし、全てのスパイスに共通する効果については次のことがあります。
食欲増進、疲労回復、新陳代謝の効果があります。
また、食べ物を腐敗させない効果もあります。
開封前のカレー粉は、高温多湿を避けて、直射日光の当たらない冷暗所に常温保存するか、または冷蔵庫に保存しましょう。
開封後のカレー粉は、どんどん香りが失われてしまうことや虫や湿気から守るために、缶入りはしっかりフタを閉めて、冷蔵庫で保存します。
チャック式のビニール袋に入っているカレー粉は、中の空気を抜いてからチャックを閉めてさらに保存袋に入れて冷蔵庫に保存します。3カ月を目安に使いましょう。
栄養成分は次のようになります。
カレー粉(100g当たり)
エネルギー415kcal、水分5.7g、たんぱく質13.0g、脂質12.2g、炭水化物63.3g、ナトリウム40mg、カリウム1700mg、カルシウム540mg、マグネシウム220mg、鉄28.5mg、亜鉛2.9mg、モリブデン42μg、ビタミンB1 0.41 mg、ビタミンB2 0.25 mg、ナイアシン7.0mg (日本食品標準成分表2015年版)
大さじ1(6g) 25kcal
小さじ1(2g) 8kcal
天ぷらや揚げ物、サラダ、ドレッシング、パスタ、スープなどいろいろな料理に使える「カレー塩」の作り方をご紹介します。
材料(作りやすい分量)
カレー粉・・・・・小さじ1
沖縄の海水塩青い海・・・小さじ3
作り方
① カレー粉に、沖縄の海水塩青い海を混ぜ合わせる。
ちなみに、カレールウの消費量の都道府県ランキング(平成28年)では沖縄県は最下位となっています。
これからの暑い夏にぴったりのカレー粉で食欲アップしましょう!
トマト
爽やかな5月は、緑黄色野菜のトマトの旬です。
先日、トマトのハウス栽培を視察に南城市(沖縄県南部)に伺いました。
ハウスの中では、ミニトマトの黄色い花が咲き、可愛い赤い実がたわわに実っていました。
現在スーパーには、たくさんのトマトと種類が陳列されています。
トマトで注目されている成分は抗酸化物質リコピンです。
トマトの赤い色はリコピン、橙色や黄色はカロテンによるものです。
さらに、最近はトマトでとる「トマトだし」にも関心が高くなっています。
トマトは昆布と同じグルタミン酸を含みます。
昆布だしの替わりにトマトだしを和食に使う料理人もいる位、トマトのうま味は強いのです。
トマトの原産地は、南アメリカのアンデス山脈高原地帯です。
多年生植物で果実は食用として利用されます。
トマトとミニトマトでは、トマトが先でミニトマトは品種改良によってできたものと思いがちですが、実はその逆でミニトマトの一種のチェリートマトが先と言われています。
沖縄県内の主な産地は豊見城市・うるま市・中城村・糸満市です。
冬春トマトの指定生産地や県の拠点産地にも認定されている豊見城市では、農薬を7割削減した「ちゅらとまと」、「ミニとまと姫」というブランドとして生産販売しています。
トマト(果実 生)100g当たりの栄養成分は、エネルギー19kcal、たんぱく質0.7g、脂質0.1g、炭水化物4.7g、食物繊維総量1.0g、カリウム210mg、カルシウム7mg、マグネシウム9mg、リン26mg、鉄0.2mg、β-カロテン540μg、ビタミンB1 0.05 mg、ビタミンB2 0.02mg、ビタミンB6 0.08mg、葉酸22μg、ビタミンC 15mg です。(日本食品標準成分表2015年版 )
ミニトマト(果実 生)100g当たりの栄養成分は、エネルギー29kcal、たんぱく質1.1g、脂質0.1g、炭水化物7.2g、食物繊維総量1.4g、カリウム290mg、カルシウム12mg、マグネシウム13mg、リン29mg、鉄0.4mg、β-カロテン960μg、ビタミンB1 0.07mg、ビタミンB2 0.05mg、ビタミンB6 0.11mg、葉酸35μg、ビタミンC 32 mgです。(日本食品標準成分表2015年版 )
栄養の面では、トマトとミニトマトを比較すると、どちらも同様の成分を含んでいます。
しかし、ミニトマトのほうがトマトよりも栄養が豊富に含まれています。
トマトとミニトマトの共通する成分については、食物繊維が含まれていて便秘解消や免疫力強化、整腸作用などが期待できます。
また体内でビタミンAになるβ-カロテンをやや多く含み、抗発ガン作用や免疫賦活作用があり、他に髪や視力の健康維持、皮膚や粘膜の健康維持に役立ちます。
美肌効果のあるビタミンCも含まれています。
トマトの果汁には、脂肪燃焼させる遺伝子を増やす「13-oxo-ODA」というリノール酸が含まれていることが2012年2月に発見されました。
この成分の摂取によって肝臓で脂肪燃焼に働くタンパク質が多く作られ、血糖値が低下するそうです。
また、みずみずしい甘味と適度な酸味が胃のむかつきを解消する作用があるといわれています。
選び方は、赤い色が濃く鮮やかなもの、全体的に丸みがあり重量感のあるもの、ヘタがピンと張って、皮に張りと艶のあるものがよいです。
保存方法は、完熟したものはビニール袋かラップで包んで、冷蔵庫にへたを上にして重ならないようにして保存します。
5度以下では味が落ちるので、10度前後で保存しましょう。
料理にはいろいろと使えます。
生ではサラダや和え物に使います。
刻んでトマソースやシチューなど煮込み料理、パスタ料理に使います。
角切りにしてかちゅー湯(沖縄のインスタント味噌汁)やお味噌汁の具としても使えます。
次にトマトだしのとり方(水だし)をご紹介します。
「ミニトマトだし」
■材料(作りやすい量)
ミニトマト・・・・・・・・・・・1パック
軟水・・・・・・・・・・・・・・1000ml
だし昆布・・・・・・・・・・・・・・10g
沖縄の海水塩 青い海・・・・・小さじ1弱
※塩をいれることでうま味が引き出されます。昆布はうま味アップのために入れます。
■作り方
① ミニトマトはヘタを取り、十字に切り込みを入れます。
② フタつき容器にミニトマト、だし昆布、沖縄の海水塩 青い海を入れ、水を注いでフタを閉めて冷蔵庫に一晩おきます。
③ 翌日、味噌汁やだし巻き卵などの料理に使います。飲んでもおいしいです。
ヨーロッパでは昔から「トマトが赤くなれば医者が青くなる。」とい言い伝えがあります。
トマトが赤く熟する頃になると、トマトを食べて健康になり、病院に行く必要がなくなり、医者の稼ぎがなくなってしまうという意味です。
トマトは健康に良い栄養素がバランスよく含まれているからです。
健康成分やうま味成分を多く含むトマトを、料理のだしや具材として活用しましょう。