ラード

ラード

 

 

ラードは豚の内臓脂肪、背油などの脂肪部分を精製したもので、豚脂(とんし)ともいいます。常温では白色のクリーム状で、融点は28~48℃です。日本農林規格では、精製した豚脂100%の「純製ラード」と、牛脂やパーム油などの食用油脂を調合した「調製ラード」に分類しています。家庭で使用するものは、純製ラードです。料理に独特の風味とコクを加えます。揚げ物や炒め物、お菓子、ラーメンのスープなどに使われます。沖縄伝統菓子の「ちんすこう」や「サーターアンダギー」の材料にも使用されています。

【選び方】

①   料理に合わせて容量を選びます。チャーハンや炒め物などの場合の使用量は少ないので、早く使い切れるようなチューブタイプをおすすめします。また、揚げ物などの比較的大量に使う場合は、業務用タイプを選びます。

②   使いやすい容器の形状を選びます。手軽に使えるのはチューブ入りで、使いたい分を少量ずつ出せます。また、バターのようにアルミ箔に包まれたものや、マーガリンのように容器に入っているものもあります。揚げ物に使うなど大量に使う場合は、一斗缶タイプ(約18リットル入り)もありますので、どんな料理に使うことが多いかで選びましょう。

【保存】

開封後は直射日光と高温多湿を避けて冷暗所におくと1か月くらいは常温で保存ができます。長期間室温に置くと風味が落ちますので、冷蔵庫で保存することをおすすめします。冷蔵庫保存するとカチカチに固まりますが、使う前に常温に戻せば柔らかくなります。急ぐ場合は、湯煎します。早めに使い切りましょう。

【沖縄とラード】

沖縄の食文化の文献を見ると、次のようなラード(豚脂)を調味料として使っていたという記述がありましたので、ご紹介します。

「沖縄では昔、「あんだたりーん」といって、各家庭で豚脂をしぼり、独特のあんだちぶー(油壺)に入れて備える。豚脂は塩や味噌と同じように調味料の役割を果たし、豚脂を使うことにより料理にうまみが出る。暑い沖縄では、消耗する体力を補うために欠くことのできない必需品である。」(出典:『聞き書 沖縄の食事』日本の食生活全集47、「日本の食生活全集 沖縄」編集委員会 代表尚弘子、昭和63年、農山漁村文化協会)

「油脂の入手が難しかった頃、豚の背脂肪や腹脂肪から搾ったラードは大変貴重な調味料であり、栄養源にもなっていた。豚の脂肪を3cm角程に切って鍋に入れ、少量の水を加えて煮溶かし、布で濾したものが冷えると真っ白な上質なラードになる。これをアンダガーミと呼ばれる油壺に保管し、日々の糧であるみそ汁、ソーメン汁、チャンプルー等に大切に使われていた。」(出典:『復活のあぐー 琉球に生きる島豚の歴史と文化』、平川宗隆、2016年、ボーダインク)

上の2つの文献では、沖縄の人たちにとってラードは高温多湿の亜熱帯気候を乗り越える体力をつける貴重な品でした。また油壺に入れて大切に使っていました。この2つの文献では、油壺の方言が「あんだちぶー」と「アンダガーミ」と違いがあります。これは時代や地域によって油壺の呼称が異なるためだと思われます。

【栄養】

植物性のサラダ油やバターなどに比べ、酸化しにくいのが特徴です。高カロリーですので、摂り過ぎに注意しましょう。

「ラード 100g当たり」

エネルギー948kcal、水分0g、たんぱく質0g、脂質100g、飽和脂肪酸39.29g、一価不飽和脂肪酸43.56g、多価不飽和脂肪酸9.81g、炭水化物0g、カリウム0mg、カルシウム0mg、マグネシウム0mg、リン0mg、鉄0mg、マンガン0mg、ビタミンD 0.2μg、ビタミンK 7μg、葉酸0μg、パントテン0酸mg。

(『日本食品標準成分表2015年版(七訂)』)

【ラードのとり方】

自分でラードをとる場合、生脂肪を細かく刻み、脂肪1kgに対して、水カップ1/2杯の割合で鍋に入れ、強火にかけます。腹脂肪を使うのが一番よく、ついで背脂肪がよいです。あぶら身が鍋にくっつかないようにかき混ぜながら煮ます。あぶらがなくなってくると、カスは上へ浮かんできます。カスがきつね色になったころに火を止め、カスだけを網ですくい上げます。あとに残ったあぶらを十分に冷ますとクリーム色のラードがとれます。

今回は、沖縄菓子で有名な「塩ちんすこう」をご紹介します。簡単に作れますのでお試しください。

◆材料(4人分)

小麦粉(薄力粉)・・・・・・ 80g

ラード・・・・・・・・・・・40g

砂糖・・・・・・・・・・・・40g

沖縄の海水塩青い海・・・・・小さじ1/6

◆作り方

①   薄力粉をふるっておく。

②   ボウルにラードと砂糖、沖縄の海水塩青い海を入れてよく混ぜる。

③   ②に①を加え、混ぜ合わせてまとめる。

④   生地を丸め、手で押して厚み1cmにする。

⑤   170度に予熱したオーブンで8~10分焼く。網に取り出して冷ます。

料理に風味やコクを出すラードを、いろいろな料理に調味料として使ってみてはいかがでしょう。

ドラゴンフルーツ(サボテン科 ヒモサボテン属)

沖縄では1990年代に導入され、果皮が龍のウロコのように見えることから「ドラゴンフルーツ」の名称が一般的になりました。別名は「ピタヤ」です。国内産の旬は7~11月頃です。原産地はメキシコや南アメリカ北部といわれています。農薬をあまり使わないで栽培できることから、自然食として注目されています。さっぱりとした味とほのかな甘みが特徴です。果肉の中のゴマのような種と一緒に食べるためにキウイフルーツのような食感が楽しめます。

【歴史】

少なくても13世紀以降のアステカ王国時代には食べられていたとされています。現在ではベトナムやマレーシア、イスラエルなどの国でも栽培されています。日本には約20年前に導入されて、その9割が沖縄県で栽培されています。

海外ではメキシコ、エクアドルが産地です。

【種類】

(1)ホワイトピタヤ・・・果皮は赤色で、果肉が半透明白色のものです。酸味はなくあっさりした味です。

(2)レッドピタヤ・・・果皮は赤色で、果肉が赤紫色です。ホワイトピタヤに比べると、甘味が強く水分も多く含まれています。

(3)ピンクピタヤ・・・果皮は赤色で、果肉がピンク色です。沖縄県では「ちゅらみやらび」という糖度15度以上の品種が栽培されています。

(4)ゴールデンドラゴン・・・果皮が黄色く、果肉は白色です。味はホワイトピタヤと同様にさっぱりとした甘味です。

(5)イエローピタヤ・・・果皮は黄色く、果肉が白い品種です。果皮はゴツゴツとしてトゲが生えています。甘味が強くとてもジューシーです。

【選び方】

小さいサイズの物よりも大きいサイズの物を選びます。手にもって重みを感じるものを選びます。完熟の度合いは素人目には判別しにくいですが、ドラゴンフルーツは追熟しないフルーツですので、鮮度が良いものを選びます。皮に張りがあり、葉のような突起の幅が広く、しなびていないものを選びましょう。

【保存方法】

購入後は、なるべく早く食べましょう。乾燥しないようにビニール袋に入れて冷蔵庫の野菜室に入れましょう。

【食べ方】

食べるときは縦に4つ割に切ります。皮の両側を少し押すと皮と果肉が簡単に離れます。そのまま皮を剝き、一口大にカットします。

【おいしく食べる工夫】

食べる1時間前に冷蔵庫でよく冷やしてから食べましょう。また、食べるときにレモン汁などを少しふりかけると、酸味が加わったジューシーな味わいになります。

【栄養】

レッドピタヤに含まれる「ベタシアニン」は、ポリフェノールの一種で強い抗酸化作用や抗炎症作用があります。またナトリウムの排出を促すカリウムが多く含まれています。スーパーフードと言われる理由は、ビタミンB群やビタミンC、カリウム、マグネシウム、葉酸などさまざまな栄養成分が含まれているからです。

「ドラゴンフルーツ 生」可食部100g当たり

エネルギー50kcal、水分85.7g、たんぱく質1.4g、脂質0.3g、炭水化物11.8g、食物繊維総量1.9g、カルシウム6mg、カリウム350mg、マグネシウム41mg、リン29mg、鉄0.3mg、亜鉛0.3mg、ビタミンB1 0.08mg、ビタミンB2 0.06mg、ナイアシン0.4mg、ビタミンB6 0.05mg、葉酸44μg、ビタミンC 7mg。

(『日本食品標準成分表2015年版(七訂)』)

【料理】

フルーツサラダやスイーツ、スムージーなどに使います。

さわやかな「ドラゴンフルーツのサラダ」をご紹介します。

◆材料(4人分)

ドラゴンフルーツ・・・・・・1個

ゴーヤー(苦瓜)・・・・・・ 100g

レタス・・・・・・・・・・・100g

ミニトマト・・・・・・・・・4個

コーン(ホール缶)・・・・・・20g

◇ドレッシング

白ワインビネガー・・・・ 大さじ3

オリーブブオイル・・・・ 大さじ2

はちみつ・・・・・・・・ 小さじ3

沖縄の海水塩青い海・・・小さじ2/3

こしょう・・・・・・・・・・ 少々

◆作り方

①   ドラゴンフルーツは皮をむき、食べやすい大きさに切る。ゴーヤーは薄い半月切りにする。レタスとミニトマトは一口大に切る。コーン缶は水気を切る。

②   ボウルに①を入れて混ぜ、皿に盛る。

③   ドレッシングの材料を混ぜ、食べる直前に②にかける。

今年は、健康によい栄養成分の豊富なドラゴンフルーツを食べて、夏バテを予防しましょう!