ペスト・ジェノヴェーゼ

ペスト・ジェノヴェーゼ

日本ではペストを、ペースト(paste=練り物)と混同されているようです。また、パスタメニューでは、バジルソースを使ったものを「ジェノヴェーゼ」と呼んでいますが、正しくは「ペスト・ジェノヴェーゼのパスタ」となります。「ペスト・ジェノヴェーゼ」は、イタリア料理を代表するパスタに欠かせないソースの一つです。ペストは、すりつぶしたもの全般を指しています。ペスト(pesto)とはイタリア共和国・リグーリア州(北西部の州、州都はジェノヴァ)を起源とする調味料のことです。「ペスト・ジェノヴェーゼ」はバジリコ(英語=バジル、熱帯アジア原産の香草)の葉、松の実、パルミジャーノ・レッジャーノ(ハードタイプのイタリア北部産チーズ)、ニンニク、エクストラ・ヴァージン・オリーブオイル、塩で作られます。バジリコを使ったペストは19世紀頃に確立したと言われます。ジェノヴェーゼ(意味=ジェノヴァ生まれの)は、バジリコの産地ジェノヴァを表しています。バジリコのペストがメジャーで、ペストと言えばバジリコのペストを指すことがほとんどのようです。

【基準】

イタリアにおける「原産地名称保護制度(D.O.P)」によると、「ペスト・ジェノヴェーゼ」には、材料に細かい基準があります。

・バジリコはジェノヴァのプラー地区産の若い葉を使うこと。

・パルミジャーノ・レッジャーノは30か月以上熟成させたものを使う。

・オリーブオイルはリグーリア州産のエクストラ・ヴァージン・オイルを必ず使うこと等。

基準を満たさないものは「ペスト・ジェノヴェーゼ」ではなく、「ペスト・アッラ・ジェノヴェーゼ」(ジェノヴェーゼ風のペスト)と名乗らなくてはならないそうです。リグーリア州以外の州では、エクストラ・ヴァージン・オリーブオイルが他の植物油(ひまわり油など)に替えられていたり、本来の原料ではない果糖やクエン酸が入っていたり、松の実ではなく他のナッツ類(カシューナッツなど)に替えることがあります。本来のペスト・ジェノヴェーゼとは風味に違いがあります。

【利用】

パスタだけではなく、オムレツ、オードブル、肉料理、魚料理、サラダ、ピザ、パン、ガーリックトーストなどにも使えます。

【市販品の選び方】

日本では「ペスト・アッラ・ジェノヴェーゼ」(ジェノヴェーゼ風のペスト)が、「バジルソース」や「ジェノヴェーゼ」などの名称(商品名)で市販されています。国産品と外国産の2つに分けられます。購入前にどちらも原材料名を確認します。国産品でも素材に輸入品を使用している場合があります。国産品にこだわる場合は、生産地を確認しましょう。次に安全性を求めるのでしたら、防腐剤や合成着色料などが無添加のものを選びましょう。

【市販品の保存】

未開封の場合は常温保存でよいのですが、開封後は冷蔵庫保存にします。空気に触れると酸化しやすいため、早めに使い切ります。冷蔵保存の目安は2週間程度です。また、早く使いきれない場合は、冷凍庫保存します。保存袋に入れて平らにしてから冷凍庫に保存します。冷凍保存の目安は1か月程度です。

【ペスト・アッラ・ジェノヴェーゼ(ジェノヴェーゼ風のペスト)の作り方】

①   バジルの葉30gを洗って、しっかり水気を拭き取ります。

②   すり鉢に①のバジルの葉、松の実20g、ニンニクのみじん切り小さじ1、おろしたパルミジャーノ(粉チーズ可)20g、沖縄の海水塩青い海小さじ1/5を入れてすりつぶします。途中でエクストラ・ヴァージンオリーブオイル80mlを垂らしながら少しずつ混ぜます。

③   瓶などに入れて、表面が空気に触れないようにオリーブオイルを少量注ぎます。冷蔵庫で2週間、冷凍庫では1か月保存が目安です。

フードプロセッサーやミキサーを使うと簡単に出来上がります。

【応用料理】

「ペスト・アッラ・ジェノヴェーゼ(ジェノヴェーゼ風のペスト)のオムレツ」の作り方をご紹介します。

◆材料(1人分)

卵・・・・・・・・・・・・・2個

ペスト・アッラ・

ジェノヴェーゼ・・・・・・・小さじ2

粉チーズ・・・・・・・・・・小さじ1

沖縄の海水塩青い海・・・・・少々

オリーブオイル・・・・・・・小さじ1

バター・・・・・・・・・・・5g

◆作り方

① ボウルに卵を割りほぐし、ペスト・アッラ・ジェノヴェーゼ、粉チーズ、沖縄の海水塩青い海、を加えて混ぜておく。

②   フライパンを熱し、オリーブオイル、バターを溶かして①を流し入れる。

③   ざっとかき混ぜながら焼き、半熟になったらフライパンの片側に寄せて裏返し、形をととのえ、皿に盛る。

イタリア料理によく使われる「ペスト・ジェノヴェーゼ」をご家庭の調味料に加えて楽しんでみませんか。

田芋でんがく

ショウガ

ショウガはショウガ科の多年草であり、野菜・香辛料として食材に使用することができ、また生薬(植物などを医薬原料に役立てたもの)としても利用されます。ショウガは地下に根茎があり、茎は高さ30~60cmで笹の葉のような葉を出します。特徴は、根茎にある辛味成分と独特の香りです。

【原産地と歴史】

熱帯アジアが原産地という説がありますが、野生のショウガが発見されていないために厳密には確定していないのです。インドでは紀元前300~500年前には、すでに保存食や医薬品として扱われていました。中国では紀元前650年には食用とされていたと言われています。ヨーロッパには1世紀ごろには伝わったとされますが、気候が栽培に向かないために、産物として輸入されましたが、料理にショウガを活用することは少なく、主に生薬として利用したそうです。日本には2~3世紀ごろに中国から伝わり、奈良時代には栽培が始まっていたそうです。

【生産地】

海外ではインド、中国、ナイジェリアで盛んであり、次にネパール、インドネシア、タイと続きます。

日本での主な産地は、高知県に集中しています。続いて熊本県、千葉県、宮崎県、鹿児島県などがあります。

【分類】

ショウガは栽培法により根しょうが、葉しょうが、矢しょうがに分けられます。

①   根しょうが・・・十分熟成した地下茎を秋に収穫し、随時出荷するものです。ひねしょうが、土しょうがともいわれます。根しょうがの内、夏から秋に収穫してすぐ出荷するものは「新しょうが」といいます。

②   葉しょうが・・・根茎が小指程度の大きさまで成長した段階で、葉付きのまま収穫したものです。

③   矢しょうが・・・軟化栽培(茎や葉に日光を遮るために覆いをかぶせたりして野菜を軟化させる栽培法)し、15cm程度に成長したところで、太陽に当てて、茎元が紅色になったところを収穫したものです。「はじかみしょうが」は、矢しょうがを長さ10cm位に切り、根元を筆の先のような形に切ったものをゆでて甘酢に浸し、色素を赤く発色させたものです。魚の焼き物などのあしらいとして添えられます。

【ショウガの日】

ショウガの日は6月15日です。2009年に東京に本社のあるお茶漬けメーカーが日本記念日協会に登録・制定したとされています。日付はショウガが奈良時代から神様への供え物として献じられ、毎年6月15日に感謝の祭り(「はじかみ大祭」)が行われていることが日付の由来となっているようです。

【選び方】

根しょうがは、全体がふっくらしてかたく黄金色で、表面に艶と張りのあるもの、しわや傷のないもの、しま模様が等間隔のものを選びましょう。形がいびつであっても味には問題はありません。新生姜は、全体的に白い部分が多く、茎のつけ根が鮮やかな赤い色をしているものが良品です。

【保存】

①   冷蔵庫保存・・・ショウガを新聞紙かキッチンペーパーで包み、ポリ袋に入

れて冷蔵庫の野菜室に保存します。冷蔵保存期間は1~2週間です。

②   冷凍保存・・・長期保存する場合は、きれいに洗って水気を拭いてからフリーザーバッグに入れて冷凍庫へ保存します。使う場合は凍ったまますりおろして使います。冷凍保存期間は2か月程度です。

③   乾燥保存・・・天日干し、蒸してから天日干し、オーブン乾燥があります。

【切り方】

ショウガのせん切りは繊維に沿って切ることで歯ごたえを楽しむことができ、またピンとした見た目に美しく仕上がります。逆に、繊維を断ち切るように切るとやわらかくなるため、食べやすくなり、辛味が強くなります。

【おろしかた】

ショウガは繊維を断ち切るように、繊維に垂直におろし金をあて、円を描くようにすりおろします。

【利用】

肉や生魚の臭み消しや油脂の酸化防止効果などにも利用できます。ショウガの辛み成分は、ジンゲロール、ショウガオールです。この成分は、生臭みであるトリメチルアミンやピペリジン(特に魚の)といった物質とよく融合し、臭い消しに大きく働きます。ただし、これらの成分は生のたんぱく質と結合しやすいので、魚を煮る際は、魚を軽くさっと煮た時にしょうが汁を加えると、消臭効果が大きいです。

【効能・作用】

ショウガの辛味は舌がピリッとするシャープな辛味です。辛味成分は、消化液の分泌を促し、神経の安定をもたらし、鎮静的な作用もあります。また、発汗作用があり、風邪のひき始めなどに用いると発汗して風邪症状が改善されます。

・ショウガオールが血行を良くし、体を温め、新陳代謝を活発にし、発汗作用を高めます。またメタボ解消、脂肪燃焼に役立ちます。

・ジンゲロールは熱に弱く、生の状態に多く含まれていて、のどの痛みなどにきく殺菌作用があります。体を温めたいときには、しょうが湯や味噌汁などの加熱する料理に使うとよいです。

乾燥したショウガは生よりも辛味が強いです。乾燥粉末ショウガはお菓子などに使われます。またショウガの香りは、清涼でウッディー(木に似たような)な甘い豊かな香りです。香り成分のシオネールは、食欲増進、夏バテ解消、疲労回復などに役立ちます。香り成分は皮の近くにありますので、臭い消しで使う場合は皮ごと使いましょう。また生の香りの方が強いです。

【しょうが 根茎 生 可食部100g当たりの成分】

エネルギー30kcal、水分91.4g、たんぱく質0.9g、脂質0.3g、炭水化物6.6g、食物繊維総量2.1g、カリウム270mg、カルシウム12mg、マグネシウム27mg、リン25mg、鉄0.5mg、マンガン5.01mg、ビタミンB6 0.13 mg、葉酸8µg、ビタミンC 2mg(『日本食品標準成分表2015年版(七訂)』)。

【料理】

ショウガを使ったインド伝統の飲み物である「チャイ(スパイス入りミルクティー)」の作り方をご紹介します。是非お試しください。

◆材料(1人分)

ショウガ・・・・・・・・・10g

水・・・・・・・・・・・・120ml

ティーバッグ・・・・・・・2個

シナモンパウダー・・・・・小さじ1/4

カルダモンパウダー・・・・小さじ1/6

牛乳・・・・・・・・・・・160ml

やさしい砂糖・・・・・・・・小さじ2

沖縄の海水塩青い海・・・・少々

◆作り方

① ショウガは皮付きのまま薄切りにします。

② 小さな鍋に水、ティーバッグ、①のショウガ、シナモンパウダー、カルダ

モンパウダーを入れて中火で加熱します。沸騰したら弱火にして2分程煮出します。

③   紅茶の色がしっかり出て、ショウガの香りがするようになったら牛乳、

やさしい砂糖沖縄の海水塩青い海を加え、弱火で5分程煮出します。

④   ティーバッグ、ショウガを取り除いて火から下ろし、カップに注ぎます。

これからの寒い冬には、ショウガを利用して体を温め、風邪予防しましょう。