サンショウ

サンショウ

サンショウは、日本を代表する香辛料です。原産は日本で、ミカン科サンショウ属の落葉低木です。ピリピリしびれる辛さと柑橘系の香りが特徴です。葉や花、実、果皮を薬味や飾りつけ、魚の臭み抜き、料理の引き立て役などとして日本料理に活用できます。粉サンショウは、「うなぎの蒲焼き」には欠かせない香辛料として用いられてきました。サンショウの若葉は、食用として「木の芽」と呼ばれ、手に乗せてパンと叩くと爽やかな香りがします。また、サンショウの木の幹は香りがよくて固いので、最高級品のすりこぎ棒として販売されています。雌雄異株なので、サンショウの実がなるのは雌株だけです。英語では「Japanese pepper」です。

【歴史】

縄文時代の土器からサンショウの実が付着した化石が出ています。サンショウは、肉や魚の腐敗予防として使われていたと考えられています。また中国の「魏志倭人伝」には、紀元3世紀頃の日本にはサンショウが自生していたことが記されています。10世紀頃には薬や薬味としてサンショウの葉が使われていました。15世紀の室町時代の「大草家料理書」には、サンショウの粉をふりかける「うなぎの蒲焼き」の料理が紹介されています。江戸時代には屋台の増加によってサンショウが薬味として使われるようになりました。

【ことわざ】

日本には「山椒は小粒でもピリリと辛い」ということわざがあります。体は小さくても、才能や力量が優れているので侮れないという意味です。

【主産県と主要産地】

日本でのサンショウの主要産地と出荷量は、和歌山県485トン、高知県43トン、京都府21トンです。(平成25年度産・特定果樹生産動態等調査種類別栽培状況より) その他に主産県は埼玉県、奈良県、和歌山県、愛媛県、高知県です。(薬用作物(生薬)に関する資料平成27年より)

【品種】

主に以下の5品種があります。

①    朝倉(アサクラ)サンショウ・・・枝にトゲがなく雌雄同株で栽培し易く、香りが高くマイルドな辛味です。兵庫県で多く栽培されています。

②    葡萄(ブドウ)サンショウ・・・小さなトゲがある品種で、和歌山特産のサンショウです。ぶどうのように実がたくさんできることから栽培しやすい品種です。

③    高原(タカハラ)サンショウ・・・岐阜県飛騨地方に生産されている品種で、高原川流域で自生していたことから、その名前がつきました。小粒で香りが良いのが特徴です。

④    山朝倉(ヤマアサクラ)サンショウ・・・山野に自生する品種で、トゲが短いのが特徴です。接ぎ木として使われます。

⑤    竜神(りゅうじん)サンショウ・・・和歌山県の竜神地方で栽培されています。葉は卵形で、普通のサンショウと比べて葉の数が少ないのが特徴です。主に食用として使われます。

その他に同属異種には、「華北(カホク)サンショウ」と言う中華料理に使われる花椒(ホアジャオ)があります。また「岩(イワ)サンショウ」と言う南西諸島などの岩場に自生するサンショウ属もあります。沖縄方言では「センスルーギー」です。

【季節ごとのサンショウの種類と用途】

3月 若葉(木の芽)・・・料理の彩り、吸い口、木の芽味噌、ちらし寿司など

4~5月 サンショウの花(花山椒)・・・料理の彩り、吸い物、佃煮など

6月 熟していない緑色の実(実山椒、青山椒)・・・佃煮、ちりめん山椒など

9月 果皮を乾燥させて粉末にしたもの(粉山椒)・・・うなぎの蒲焼き、七味唐辛子の材料など

【保管と扱い方】

木の芽は、湿らせたペーパーで挟み、ラップに包んで冷蔵庫で保存します。乾燥したサンショウは、密閉容器に入れて冷暗所で保存します。瓶入りの粉サンショウは、直射日光、高温多湿を避けて保存します。

【サンショウの効果】

①    健胃、整腸効果、駆虫

②    強壮効果

③    冷え性を改善する効果

④    打撲などを解消する効果

⑤    デトックス

⑥    減塩

【食べ方】

うなぎの蒲焼き、焼き鳥、ラーメン、うどん、みそ汁、鍋物、パスタ、スープ等にふりかけて食べます。

【栄養成分】

サンショウは、カリウム、カルシウム、β-カロテンを多く含みます。カリウムは血圧を正常に保ち、老廃物を体外へ排出します。カルシウムは骨や歯の形成に大切な成分です。また、β-カロテンは体内でビタミンAに変換され、免疫力を高め、皮膚や粘膜を丈夫にします。

その他に、サンショウの辛み成分のサンショオールは、肩こりや神経痛、保温効果があります。また、香り成分のシトロネラールは、食欲増進や消化促進、消炎作用、食中毒予防効果もあります。

「サンショウ 粉末 100g当たり」

エネルギー375kcal、水分8.3g、たんぱく質10.3g、脂質6.2g、炭水化物69.6g、灰分5.6g、カリウム1700mg、カルシウム750mgマグネシウム100mg、リン210mg、鉄10.1mg、亜鉛0.9mg、β-カロテン当量200μg、ビタミンB1 0.1mg、ビタミンB2 0.45mg、ビオチン27.1μg、ビタミンC 0mg、食塩量0g(『日本食品標準成分表2015年版(七訂)』)。

 【料理】

 「サンショウと大根おろしのお味噌汁」をご紹介します。サンショウの風味がみそ汁に合います。

◆材料(4人分)

大根おろし・・・・・・・大さじ4

かつおだし・・・・・・・800ml

ナメコ・・・・・・・・・60g

青ネギ(小口切り)・・・ 15g

味噌・・・・・・・・・・25g

沖縄の海水塩青い海・・・小さじ1/6

粉サンショウ・・・・・・少々

◆作り方

①    ナメコは、さっと洗い水を切る。

②    鍋にかつおだしを入れて熱し、大根おろし、ナメコを入れ、味噌、沖縄の海水塩青い海を加え温める。

③    椀に注いで青ネギを散らし、粉サンショウをふる。

日本を代表する香辛料のサンショウを、お料理に取り入れて健康に役立ててはいかがでしょう。

ネギ

ネギは、日本では、みそ汁や麺類の薬味、鍋料理の食材などに使われます。食文化の違いで、関東では白ネギ(根深ネギ)、関西では青ネギ(葉ネギ)が好まれて栽培されてきましたが、現在は全国的に両方のネギが食べられるようになりました。また、料理によって使い分けをするようになりました。ネギの特有の匂いと辛味成分は硫化アリルです。ネギの旬は晩秋から春先です。

沖縄のネギは、ワケネギ(葉ネギの一種で、ワケギとは違う種類で根元から分かれて増えていく)の種類と言われています。沖縄方言では「ビラ」「ジービラ」と呼ばれています。チャンプルー、沖縄そばのトッピング、和え物などの料理に使われます。

【原産地と歴史】

中国西部、中央アジア北部、バイカル地域がネギの原産地とされています。中国では2000年前から栽培されていたそうです。日本には朝鮮半島を経由して8世紀頃に渡来しました。奈良時代の木簡や日本書記にもネギの記載があるくらいに古くから食べられて来た野菜です。

【生産量】

日本のネギ生産量の都道府県ランキングでは、第1位:千葉県、第2位:埼玉県、第3位:茨城県です。(農林水産省統計データ2017年)

【種類】

ネギは、白ネギと青ネギの2つに大きく分けられます。

①   白ネギ・・・主に白い部分を食べる根深ネギのことで、長ネギとも呼ばれています。根元に土寄せをして白い部分が長くなるように育てたネギです。「加賀ネギ」、「千住ネギ」、「下仁田ネギ」、「曲がりネギ」などがあります。

②   青ネギ・・・関西で多い青ネギは、葉ネギとも言われて、葉肉が柔らかく白ネギのように土寄せをしないで育てます。代表的な品種は、京都の「九条ネギ」です。福岡特産の「万能ネギ」や一般的に小ネギ(青ネギを若取りしたもの)と言われるものもこの一種です。

その他・・・ネギとタマネギの雑種である「ワケギ」や「アサツキ」、若取りの「芽ネギ」などがあります。これらは青ネギの部類に入ります。

西洋品種・・・ヨーロッパにはポロワーネギ(英名:リーキ、和名:西洋ネギ)、シブレット(英名:チャイブ、和名:セイヨウアサツキ)などがあります。

【小ねぎ記念日】

小ネギの主要産地の福岡、佐賀、大分、高知、宮城の全国農業協同組合連合会の県本部で作る『小ねぎ主産県協議会』が、毎年11月23日を「小ねぎ記念日」と制定しました。元々は勤労感謝の日、「葱来(ねぎらい)」の日ということで語呂合わせから「小ねぎ記念日」に制定されました。

【選び方】

1.白ネギの場合は、白い部分がしまって弾力があり、重みがあり、緑と白の境がはっきりして、葉先にハリがあるものを選びましょう。白い部分が乾燥してフカフカのものは避けましょう。白ネギは白い部分を料理に使い、青い部分はだしを取ること等に使いますので、白い部分が長い方が食べる部分が多いということになります。

2.青ネギの場合は、新鮮で葉の先までピンととがって鮮やかな緑色で、根が乾燥していないものを選びましょう。緑色の濃い方が栄養価は高いです。

【保存】

白ネギは乾燥しないようにラップで包んで、冷蔵庫の野菜室に立てて保存しましょう。青ネギは濡れた新聞紙で包んでから、ポリ袋に入れて野菜室に立てて保存しましょう。また、トッピング用に刻んだ青ネギは保存容器に入れ、また白ネギをスライスしたものは、水にさらし辛味を抜いてから、水気を切って保存容器に入れて冷蔵庫に入れます。ネギが大量にある場合は、使う用途に合わせて切ってから小分けにラップして冷凍します。その場合は汁物や煮物などの加熱料理に使いましょう。

【効能・作用】

ネギに含まれる硫化アリルは、血行をよくして体を温め、疲労物質である乳酸を分解する作用があり、ビタミンB1の吸収を助けます。さらに肉や魚の臭みを消す、消化液の分泌を促す働きもあります。但し、ネギは長時間の加熱と水にさらす時間が長いと、効能が少なくなります。

また、昔からの民間療法で、風邪をひいたときには、焼いた白ネギを喉に当てたり、ネギを食べるといいと言われています。これは硫化アリルとネギの白い部分に多く含まれるネギオールという成分の殺菌作用と鎮静効果によるものです。硫化アリルは刻むことで沢山作られ、時間とともに消えてしまうので食べる直前に調理することが大切です。

【栄養】

白ネギ(根深ネギ)は淡色野菜で、青ネギ(葉ネギ)は緑黄色野菜です。栄養成分を比べてみると、青ネギの方が、カルシウムが約2.2倍、β-カロテンが約18.2倍、ビタミンCが約2.3倍も多く含まれています。

【根深ねぎ 葉 軟白 生 可食部100g当たりの成分】

エネルギー34kcal、水分89.6g、たんぱく質1.4g、脂質0.1g、炭水化物8.3g、食物繊維総量2.5g、カリウム200mg、カルシウム36mg、マグネシウム13mg、リン27mg、鉄0.3mg、マンガン0.12mg、β-カロテン82μg、ビタミンK8μg、ビタミンB10.05mg、ビタミンB20.04mg、ビタミンB6 0.12mg、葉酸72µg、ビタミンC14mg(『日本食品標準成分表2015年版(七訂)』)。

【葉ねぎ 葉 生 可食部100g当たりの成分】

エネルギー30kcal、水分90.5g、たんぱく質1.9g、脂質0.3g、炭水化物6.5g、食物繊維総量3.2g、カリウム260mg、カルシウム80mg、マグネシウム19mg、リン40mg、鉄1.0mg、マンガン0.18mg、β-カロテン1500μg、ビタミンK110μg、ビタミンB10.06mg、ビタミンB20.11mg、ビタミンB60.13mg、葉酸100µg、ビタミンC32mg(『日本食品標準成分表2015年版(七訂)』)。

【料理】

「白ネギの味噌ごま炒め」をご紹介します。時短で美味しいレシピです。

◆材料(2人分)

白ネギ・・・・・・・・・大1本

植物油・・・・・・・・・小さじ2

みりん・・・・・・・・・小さじ2

味噌・・・・・・・・・・小さじ2

沖縄の海水塩青い海・・・小さじ1/5

すりごま(白)・・・・・・小さじ2

◆作り方

① 白ネギを斜めに切る。

② 小さなボウルに、みりん、味噌、沖縄の海水塩青い海、すりごまを入れて混ぜ合わせておく。

③   フライパンに植物油を入れて熱し、白ネギを炒めて、②の調味料を加えてさらに炒める。

体を温め、風邪予防にもよいネギを使った料理を食べて冬を乗り越えましょう。