チャツネ

チャツネ

     

チャツネは、野菜や果物にスパイスを加えて煮込んだり混ぜたりして作るインド特産の保存食で、調味料やソースとして使われることが多いです。チャツネには甘いもの、酸っぱいもの、辛いもの等、様々な味付けがあります。名前は、ヒンディー語で「舐める」を意味する「チャートゥーナー」に由来します。

【歴史】

チャツネの原型は紀元前500年頃にインドで発祥して、周辺の国々へ広まったとされています。チャツネは大英帝国時代初期の頃、イギリスからインドに渡ったイギリス人に盛んに取り入れられたそうです。17世紀には高級品としてインドからヨーロッパに輸出されました。

日本で初めてチャツネを作ったのは、大阪市に本社をおく某会社です。1911年にインド人から直接作り方を教わり、製造販売しました。

【材料】

地元で採れる野菜や果物、スパイス、調味料が使われます。チャツネは次の①、②、③の材料を組み合わせて作られます。地域や家庭、用途によって様々な味や香りのチャツネが存在します。

①   野菜・果物・・・マンゴー、リンゴ、バナナ、プルーン、パパイヤ、イチジク、レーズン、タマリンド、モモ、タマネギ、トマト、ナス等。

②   スパイス・ハーブ・・・唐辛子、ショウガ、ニンニク、シナモン、クローブ、クミン、カルダモン、ミント、コリアンダー、オレガノ、ココナッツ等。

③   調味料・・・酢、砂糖、食塩、ヨーグルト等。

【種類】

材料によって、次の3つに分けられます。

①   フルーツをベースとしたもの(マンゴーチャツネ、リンゴチャツネ、バナナチャツネ、パパイヤチャツネ等)

②   野菜をベースにしたもの(トマトチャツネ、ナスのチャツネ、タマネギのチャツネ等)

③   ハーブやスパイスをベースにしたもの(インドではチリペッパーチャツネやミントチャツネ等)があります。

【使い方】

チャツネは、食事に添える他、焼肉のタレやドレッシングのように使われたり、カレーや煮込み、スープなどに一匙加えたりと、料理に隠し味として深みを加えるために使われています。カレーにチャツネを隠し味として加えるタイミングは、ルウを入れる前に入れて肉や野菜と煮込むのがよいです。チャツネの独特の風味が加わり、奥深い味わいのカレーに仕上がります。また、ナンやパンにジャムのようにつけて食べられることもできて幅広く使えます。

【相性のよい組合せ】

西洋料理とチャツネは相性がよくて、トマトケチャップやスパイスを使った料理、カレーやビーフシチューなどにチャツネは特におすすめです。他にピザやパスタ、チャーハン、スープ、サラダドレッシング、炒め物、サンドイッチなどにも合います。

【アレルギー】

チャツネの材料に使われるものには、マンゴーやリンゴなどのフルーツがベースになっているものがあります。近年急増している「果実アレルギー」の方は、チャツネを口にすることでアレルギー反応(唇の腫れ、吐き気、じんましん、呼吸困難など)が引き起こされることがありますので、気をつけましょう。

【保存】

市販品の場合、開栓前は常温で直射日光を避け、冷暗所に保存します。開栓後は冷蔵庫で保存し、早く使用しましょう。

【栄養】

チャツネ100g当たりの栄養成分は、『日本食品標準成分表2015年版(七訂)』に記載がありませんので、また栄養成分はチャツネメーカーにより異なりますので、商品に記載の栄養成分表示を御覧ください。以下に市販されているマンゴーチャツネ4品の栄養成分を調べました。4商品の平均値を出しましたので参考にしてください。

「マンゴーチャツネ 100g当たりの成分」

エネルギー253kcal、たんぱく質0.3g、脂質0.1g、炭水化物62.6g、食塩相当量1.6g。

【レシピ】

リンゴを使った「リンゴのチャツネ」の作り方を紹介します。カレー、煮込み料理、パンにつける等いろいろな料理に使えます。

◆材料(2人分)

リンゴ・・・・・・・・・・・250g

レーズン・・・・・・・・・・25g

ショウガ・・・・・・・・・・1かけ

砂糖・・・・・・・・・・・・70g

酢・・・・・・・・・・・・・30ml

沖縄の海水塩青い海・・・・・小さじ1/2

◆作り方

① リンゴの皮をむき、芯と種を取り除き、細かく刻む。

②  レーズンは細かく刻み、ショウガはすりおろす。

③  鍋に①と②を入れて、砂糖、沖縄の海水塩青い海を加えて弱火で煮込む。

④ 酢を加えて30分程煮込む。

手作りのチャツネを作って、いろいろな料理に加えたときのコクの違いを味わってみてはいかがでしょうか。

 

麩(ふ)

麩はグルテンを主な原料とした加工品です。グルテンは小麦粉に水と少量の食塩を加えて練り、でんぷんを洗い流したものです。麩は、室町時代に明から渡来した禅僧によって伝えられたとされ、当時の精進料理のタンパク質不足を補うものとして食べられていました。また、戦いの兵糧としても活用されました。

麩は鍋物や汁物、和え物やすき焼きなどの具、麩菓子、沖縄料理の炒め物に使われます。秋田などの東北部の一部や北海道の一部でラーメンの具として用いられて、近年では滋賀県の一部でもラーメンの具として用いられています。京都では精進料理の材料の一つとして用いられるほか、京料理としても利用されます。

【種類】

種類は生麩、焼き麩、揚げ麩などがありそれぞれ食感が異なります。

①   生麩(なまふ)・・・グルテンにもち米粉を加え、蒸したり茹でたりして作ります。よもぎ麩、ごま麩、あわ麩の他に、季節の麩(梅、桜、紅葉)、細工麩などがあります。また、生麩で作られた麩まんじゅうは京都のお土産として有名です。生麩は薄味の煮物や鍋物、田楽に、季節の麩は口取りや椀だね(吸い物の主となる実)に用います。生麩の冷凍物は、自然解凍又はぬるま湯で解凍します。解凍後は冷蔵庫で2~3日程度しか保存できないので、早めに使いましょう。

②   焼き麩・・・グルテンに小麦粉を加えて焼き上げたものです。棒に巻いて焼いた車麩、板麩、釜焼き麩などがあります。水やぬるま湯で柔らかくもどしてから使います。煮物、汁の実、鍋物、炒め物、和え物などに使います。

焼き麩は、光沢があり、泡が均一なものを選びます。車麩は巻きが多い品がよいとされています。保存は、湿気に気をつければ半年は持ちますが、早めに使いましょう。

③   揚げ麩・・・中国の揚げ麩は団子状に丸めた生麩を菜種油で揚げています。日本では岩手県南部や宮城県北部の伝統食材で「油麩(あぶらふ)」という棒状の揚げ麩があります。油麩は、水に戻す必要がなく、適当な大きさに切って料理に入れることでコクが出ます。煮物や味噌汁の具材に利用されます。宮城県登米郡登米町には「油麩丼(あぶらふどん)」という名物料理があります。油麩の賞味期限は3~4か月です。開封後は2~3日で使い切るか、またそれ以上になる場合は、保存袋に入れて空気に触れ酸化しないようにし、高温多湿を避け、涼しく乾燥した場所に保管します。

【生産】

2017年の都道府県別の麩の生産額ランキングでは、1位石川県36.4億円、2位岐阜県28.9億円、3位山形県13.1億円でした。(経済産業省 工業統計2017年)

【郷土食と麩】

全国各地には、それぞれの麩を郷土食として用いています。

①   押し麩(おしふ)・・・車麩を春巻きのように押し潰して圧縮したもので、主に山形県や新潟県などで製造されています。煮物、味噌汁、鍋、から揚げ等に使われます。

②   まんじゅう麩・・・新潟県村上市岩船地区が発祥地と言われ、まんじゅうの形をした麩で「岩船麩」とも言われます。煮物や味噌汁の具材として使われます。また、まんじゅう麩に蒸気をあてて蒸して、押しつぶした麩を「つぶし麩」と言います。味噌汁などに使われています。

③   大和麩(やまとふ)・・・奈良県独得の麩でフランスパンのような棒状の麩です。好みの大きさに切って使います。煮物や和え物に使います。

④   角麩(かくふ)・・・名古屋市周辺や尾張地方、岐阜県美濃地方で製造・消費される麩です。成形に簾(すだれ)を使った四角形状の麩で、面には波状のすだれ模様がつきます。生麩と乾燥麩があります。煮物やすき焼き、田楽に使われています。

⑤   安平麩(あんぺいふ)・・・山口県で作られる丸形の焼き麩です。一見アンパンのような外観をしています。味噌汁や卵とじ、すき焼きなどに使います。

⑥   丁子麩(ちょうじふ)・・・京都、滋賀の名産の四角形の麩です。両面の線が入っています。これは街の小路を示すものです。辛子酢味噌和えや味噌汁に使います。

⑦   豆麩(とうふ)・・・小さな丸い形をした焼き麩で、宮城県の郷土料理の「おくずかけ」の材料に使われます。味噌汁、和え物などに使います。

⑧   車麩(くるまふ)・・・沖縄県の車麩は、グルテンに加える小麦粉が少量で蒸し焼きにするのでふわっとして軽量です。「フーチャンプルー」に使います。新潟県の車麩は、グルテンに多めの小麦粉を加えた生地を四重巻きにして直火で焼いています。大きくずっしりと重いのが特徴です。煮物に使います。

【栄養】

麩は低カロリー、低脂質、高たんぱく質です。ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、リン、鉄、亜鉛などのミネラルも含まれています。

「生麩 100g当たりの成分」

エネルギー163kcal、水分60.0g、たんぱく質12.7g、脂質0.8g、炭水化物26.2g、食物繊維総量0.5g、ナトリウム7mg、カリウム30mg、カルシウム13mg、マグネシウム18mg、リン60mg、鉄1.3mg、亜鉛1.8mg、銅0.25mg、マンガン1.04mg、ビタミンB1  0.08mg、ビタミンB2  0.03 mg、ビタミンB6  0.02mg、ナイアシン0.5mg、葉酸7μg、パントテン酸0.12mg、食塩相当量0g。

(『日本食品標準成分表2015年版(七訂)』)

「車麩 100g当たりの成分」

エネルギー387kcal、水分11.4g、たんぱく質30.2g、脂質3.4g、炭水化物54.2g、食物繊維総量2.6g、ナトリウム110mg、カリウム130mg、カルシウム25mg、マグネシウム53mg、リン130mg、鉄4.2mg、亜鉛2.7mg、銅0.42mg、マンガン1.23mg、α-トコフェノール0.4mg、ビタミンB1  0.12mg、ビタミンB2   0.07mg、ビタミンB6  0.07mg、ナイアシン2.9mg、葉酸11μg、パントテン酸0.47mg、食塩相当量0.3g。

(『日本食品標準成分表2015年版(七訂)』)

【料理】

簡単につくれる「車麩のピカタ」の作り方を紹介します。

◆材料(2人分)

車麩・・・・・・・・・・・・1本

卵・・・・・・・・・・・・・1個

だし汁(戻す分)・・・・・・・適量

沖縄の海水塩青い海・・・・・ 小さじ1/5

植物油・・・・・・・・・・・ 大さじ1

◆作り方

①   車麩は1cm幅に切り、だし汁に漬けて戻す。

②  卵を溶いて、沖縄の海水塩青い海で味付けしておく。①の車麩をよく絞り、卵液をつける。

③  フライパンに薄く油をしいて、両面を中火で焼く。焦げないようにする。中まで火を通すため、途中でフタをする。

④  表面がカリッと焼けたら完成。

麩は、低カロリーで植物性たんぱく質が豊富です。ヘルシーな麩を日常の料理に取り入れましょう。

 

あけましておめでとうございます。

2021年青い海