魚醤

魚醤

category:調味料の知恵袋

2018年11月27日

魚醤は魚介類(カタクチイワシ・ハタハタ・イワシ・イカなど)を発酵・熟成させて造る液体調味料です。

濃厚なうまみと独特の風味があります。

魚醤の元は、中国の「醤(ひしお)」と言われています。

この醤をもとに造られた塩漬け発酵食品のひとつが魚醤です。

小魚やアミ(アミ目の甲殻類)などをワタ(内臓)と一緒に大量の塩で漬け込み、ワタに含まれる酵素で魚介類のたんぱく質を分解して、うまみを生成させた魚のしょうゆです。

日本では、鎌倉時代から魚醤が使われていましたが、室町時代になり大豆を原料としたしょうゆが普及すると、魚醤は一部の地域を残して廃れていきました。

しかし、現在もいくつかの地方では魚醤が用いられています。

特に日本の三大魚醤と言われているものを以下に紹介します。

①    秋田県:「しょっつる」

ハタハタ(秋田県の県魚)から造られます。

「しょっつる鍋」が有名です。ラーメンのスープやドレッシング、付けダレなどの隠し味としても使われます。

②    石川県:「いしる(いしり)」

原材料が、イワシやサバの場合は「いしる」、イカの場合は「いしり」。

である「いしる鍋」や野菜炒めに加えたり、ラーメンに垂らすなど隠し味にも使えます。

③    香川県:「いかなごしょうゆ」

瀬戸内海の魚いかなご(コウナゴ)から造られます。

強いうまみがありながら、すっきりした風味で冷奴や刺身のつけしょうゆ、煮物、野菜炒めなどにも使われます。

その他、国外でも魚醤は使われています。

有名なものだとタイの「ナンプラー」があります。

近年の東南アジアのエスニック料理でブームとなり、日本でもスーパーの調味料コーナーに陳列されるようになりました。

日本のしょうゆと同様に万能調味料のように使われます。スープや鍋物、カレーの調味料、揚げ物のたれやサラダドレッシングなど、多くの料理に使われています。

他にも同種のものがベトナムの「ニョクマム」、フィリピンの「パティス」、中国の「魚露(ユウロー)」などがあり、蒸し魚にかけたり、鍋物の調味料などに使われます。

古くは、古代ローマにおいて「ガルム」と呼ばれる魚醤が使われていました。

イタリア南部のアマルフィ周辺では、ガルムの流れをひくカタクチイワシの魚醤「コラトゥーラ」が今でも作られています。

【料理での利用方法】

料理への使い方は、魚介類の鍋物や煮物に、普通のしょうゆと同じように用い、魚醤は、うまみ成分のイノシン酸が豊富なので、だしを使わなくてもよいです。

また、隠し味として加えると、どんな料理にも合いうまみがアップします。

魚醤の保存方法は、未開封の場合は常温で直射日光を避け、涼しい場所に保管します。

開栓後は、キャップをしっかり閉めて冷蔵庫に保管します。

【栄養成分】

魚醤は少量でも塩分が高いのが特徴です。使う際には塩分に注意しましょう。

「しょっつる」100g当たり

エネルギー29kcal、水分69.4g、たんぱく質6.1g、脂質0g、炭水化物1.1g、ナトリウム9600mg、カリウム190mg、塩分24.3g。

「いしる(いしり)」100g当たり

エネルギー68kcal、水分61.2g、たんぱく質12.8g、脂質0g、炭水化物4.2g、ナトリウム8600mg、カリウム260mg、塩分21.9g。

「いかなごしょうゆ」100g当たり

エネルギー65kcal、水分63.0g、たんぱく質13.9g、脂質0g、炭水化物2.1g、ナトリウム8300mg、カリウム480mg、塩分21.2g。

「ナンプラー」100g当たり

エネルギー48kcal、水分65.5g、たんぱく質9.1g、脂質0.1g、炭水化物2.7g、ナトリウム9000mg、カリウム230mg、塩分22.9g。

(上記4つの出典元:『日本食品標準成分表2015年版(七訂) 同追補2016年』)

【料理】

「エスニック風チキンの炒め物」をご紹介します。

◆材料(4人分)

鶏肉(もも肉)・・・・・・・400g

ナンプラー・・・・・・・大さじ2

やさしい砂糖・・・・・・大さじ1

沖縄の海水塩青い海・・・・・少々

こしょう・・・・・・・・・・少々

おろしにんにく・・・・・小さじ1

しょうが汁・・・・・・大さじ1/2

粉唐辛子・・・・・・・・・・少々

植物油・・・・・・・・・大さじ1

◆作り方

①    鶏肉は一口大に切ります。

②    ボウルにナンプラー、やさしい砂糖沖縄の海水塩青い海、こしょう、おろしにんにく、しょうが汁、粉唐辛子を入れてよく混ぜ合わせる。

③    ②に①を加えて20分ほど漬け込む。

④    フライパンに植物油を熱し、③を入れて炒める。

いつもの料理に魚醤を隠し味として加えて、うまみをアップさせてみましょう。

山城 尚子

<管理栄養士・ソルトコーディネーター・だしソムリエ>

 第1回「石垣島ピパーツレシピコンテスト」石垣市観光協会長賞、第27回新報音楽コンクール第2位(声楽)。
 沖縄の塩の美味しさと素晴らしさを伝えたいと、積極的に塩を紹介しています。塩は料理のまとめ役で、食材と塩の組み合わせが良いと、塩の量を少なくでき、美味しさがアップします。
 沖縄県民の健康を願い、美味しくキレイに痩せるダイエット料理や料理の基本となるだしを使った風味豊かな料理を提案しています。栄養と音楽と美容の三本柱で活動していきます。沖縄の心を料理で表現したいと心がけています。

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