「ミズイモ」(サトイモ科)

「ミズイモ」(サトイモ科)

category:料理のあれこれ

2018年12月11日

 

沖縄では、収穫の際に親芋にたくさんの子芋がつくことから子孫繁栄の縁起物とされ、お正月や生年祝いなどのお祝料理や行事料理に欠かせない食材です。

薄紫色の芋と茎(方言で「ムジ」)を食用にします。

水田で栽培されるため沖縄本島の方言では「田芋=ターンム」と呼ばれています。

【生産地・伝来】

原産地は熱帯アジアです。東南アジアやインドにも分布しています。

サトイモの種類の多年生作物です。

高温多湿の気候に適しています。

沖縄県内では金武町や宜野湾市が主な産地です。

沖縄への伝来は明らかではないのですが、18世紀の初め頃から栽培されていたようです。

【品種】

品種は在来種の赤茎種と、粘りが特徴の白茎種がありますが、収量の高い白茎種が多く栽培されています。

【出荷まで】

周年収穫されますが、旬は12月から4月頃です。

ミズイモは生のままでは傷みやすい性質のために、生産者が蒸してデンプン含有量や繊維質、色、風味などを検査してから出荷します。

外国産の冷凍ミズイモが輸入されていますが、沖縄県産の方が、味・香り・色などの食味の点で、消費者からの評価が高いようです。

【保存方法】

最近では、ミズイモの収穫後、煮て急速冷却後真空パックし、殺菌した「煮田芋」が県内スーパーで販売されています。

賞味期限は2週間です。

従来のミズイモを茹でたものは2、3日しか保存できません。いずれも冷蔵庫で保存します。

【選び方】

選ぶときのポイントは、蒸された状態のものでキズや変形のないもの、芋の表面にヒビが入ってハリのあるものを選びましょう。

でんぷん含有量が多いものはヒビが入ります。

【栄養成分】

ミズイモは、エネルギーが多く、食物繊維、カリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、葉酸なども含まれています。

「ミズイモ 球茎 水煮」可食部100g当たり

エネルギー110kcal、水分72.0g、たんぱく質0.7g、脂質0.4g、炭水化物26.1g、食物繊維総量2.5g、ナトリウム5mg、カリウム270mg、カルシウム79mg、マグネシウム23mg、リン35mg、鉄1.0mg、亜鉛0.2mg、ビタミンA 0μg、ビタミンB1 0.16 mg、ビタミンB2 0.02 mg、葉酸27μg、ビタミンC 4mg、食塩相当量0g

(上記の出典元:『日本食品標準成分表2015年版(七訂)』)

【料理】

沖縄料理には、ミズイモの粘りを生かした料理が多く、ターンムでんがく(きんとん風甘煮)、ドゥルワカシー(ミズイモとミズイモの茎、豚肉などを豚だしで煮込む料理)、空揚げ、雑炊、飲み物などがあります。

茎は、汁物、炒め物、ごま和えなどの料理に使います。

お菓子では田芋パイ、田芋のチーズケーキ、田芋まんじゅうなどがあります。

ミズイモは一般的には蒸し煮したものを市販していますが、料理に使う際、もう一度ゆでこぼしを行えば、えぐ味(ホモゲンチジン酸とシュウ酸)が取れますのでお勧めします。

「ターンムでんがく」のレシピをご紹介します。餅のような粘り気が美味しい沖縄料理です。

◆材料(4人分)

ミズイモ(ゆでたもの)・・・・・400g

熱湯・・・・・・・・・・・ 2カップ

やさしい砂糖・・・・・・・・・・80g

沖縄の海水塩青い海・・・・・・・少々

みりん・・・・・・・・・・・大さじ1

レモンの皮またはみかんの皮・・・少々

◆作り方

①   ミズイモの皮をむいて、2cm角に切る。たっぷりの熱湯で5分ゆで、ざるに取り水気を切る。

②   鍋に分量の熱湯、ミズイモを入れ10分程弱火で煮て、ミズイモがやわらかくなったら、やさしい砂糖沖縄の海水塩青い海を加える。焦がさないように時々混ぜながら弱火でゆっくり煮る。

③   ミズイモが煮くずれしてきたら、みりんを加えて強火にし、つやを出して仕上げる。

④   器に盛り、レモンの皮またはみかんの皮のみじん切りを散らす。

今が旬のミズイモを行事料理だけでなく、普段の食事にも食して楽しみましょう。

山城 尚子

<管理栄養士・ソルトコーディネーター・だしソムリエ認定講師>

 第1回「石垣島ピパーツレシピコンテスト」石垣市観光協会長賞、第27回新報音楽コンクール第2位(声楽)。
 沖縄の塩の美味しさと素晴らしさを伝えたいと、積極的に塩を紹介しています。塩は料理のまとめ役で、食材と塩の組み合わせが良いと、塩の量を少なくでき、美味しさがアップします。
 沖縄県民の健康を願い、美味しくキレイに痩せるダイエット料理や料理の基本となるだしを使った風味豊かな料理を提案しています。栄養と音楽と美容の三本柱で活動していきます。沖縄の心を料理で表現したいと心がけています。

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