「ヨモギ」(キク科 ヨモギ属)

「ヨモギ」(キク科 ヨモギ属)

category:料理のあれこれ

2019年3月12日

 

日本では全国的によもぎ餅(草餅)の緑の材料として使われることが多い食材です。

地下茎を伸ばして繁殖するために群生することが多く、野原、畑地、道端に自生している多年草です。

中国や韓国、東南アジアなどにも分布している強健な野草です。

沖縄県の主な産地は八重瀬町(具志頭)です。沖縄ではヨモギを山羊汁や沖縄そば、ジューシーに入れます。

独特の香りがあり、お灸のもぐさ(お灸を据える際の燃やす材料)として使われます。

中国漢方では「艾葉(ガイヨウ=燃やす葉)」と呼ばれ、食べる、飲む、浸ける、香りを嗅ぐ、もぐさにする等、万能薬として珍重されて来ました。

【方言名】

沖縄の方言名はフーチバーと呼ばれ、「フーチ(病気)」を治す「バー(葉)」という意味です。

【種類】

日本全国では30種類以上もあります。沖縄のヨモギは本土産のものと違い「ニシヨモギ」という品種です。苦味が比較的少なく、アクが少ない柔らかい品種です。

【旬と選び方のポイント】

1年中採れますが、食用とする場合は固いものではなく、柔らかい若葉を選びます。若葉が採れる時期は2~5月です。葉の色がみずみずしい鮮緑色を選びます。

【調理のポイント】

独特の香りが強いので大量には使わない方がいいです。また繊維質が多いので、固いところは取り除きます。薬効成分なども多く、自然の中で育っているものはアクが強いです。

アクを抜くために茹でます。沸騰している湯に塩と重曹を入れて、ヨモギを2分程茹でます。茹で上がったら、すぐに冷水に取り20分程さらします。

【保存】

摘みたての新鮮なヨモギを調理して食べるのが一番香りを楽しむことができ

ますが、大量に採取した場合は茹でて冷蔵・冷凍保存しておくことができます。

◆冷蔵保存の場合

湿った新聞に包んで、立てた状態で冷蔵庫に保存します。2~3日で使いましょう。

◆冷凍保存の場合

一度茹でて、水気を切ってから保存袋に入れ、空気を抜いて冷凍します。使う時は、自然解凍でおひたしや和え物、汁物に使います。

【栄養成分】

葉物野菜の中では水分が少なく、たんぱく質、食物繊維が多いです。

ミネラルではカリウム、カルシウム、リン、鉄に富み、ビタミンはβ-カロテン、ビタミンK、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンCが豊富です。

「ヨモギ 生」可食部100g当たり

エネルギー46kcal、水分83.6g、たんぱく質5.2g、脂質0.3g、炭水化物8.7g、食物繊維総量7.8g、ナトリウム10mg、カリウム890mg、カルシウム180mg、マグネシウム29mg、リン100mg、鉄4.3mg、亜鉛0.6mg、β-カロテン当量5300μg、ビタミンK 340μg、ビタミンB1  0.19mg、ビタミンB2  0.34mg、ナイアシン2.4mg、ビタミンB6  0.08mg、葉酸190μg、パントテン酸 0.55mg、ビタミンC 35mg。

(『日本食品標準成分表2015年版(七訂)』)

 ヨモギに含まれている不溶性食物繊維は、便秘の予防、ダイエット効果、有害な物質を吸着し対外へ出す働きがあります。β-カロテンは抗発ガン作用や免疫賦活作用があります。β-カロテンは体内でビタミンAに変換され、皮膚・粘膜の健康維持や視力の維持などの生理作用があります。ビタミンKは止血作用があります。

【食用以外の効用】

 沖縄の民間療法として、ヨモギの葉を絞った汁を飲むと高血圧によいとされています。ヨモギは爽やかで品のある香りが特徴です。シオネールやβ-カリオフィレンなどの香り成分が含まれています。

ヨモギの香りを嗅ぐとリラックスした気分になるのはシオネールの効果です。β-カリオフィレンにはホルモンバランスを整える働きがあります。他には、痛み、出血、皮膚病、婦人病などの効能があるそうです。作用は余分な水分を排出し、体を温め、血行を良くすることによって効果を発揮します。ヨモギは種類が多いのですが、薬効効果はほぼ同じです。

【料理】

沖縄料理の「フーチバージューシー(ヨモギ雑炊)」をご紹介します。

◆材料(4人分)

米・・・・・・・・・・・・・・1カップ

鰹だし・・・・・・・・・・・・4カップ

豚だし・・・・・・・・・・・・4カップ

豚バラ肉・・・・・・・・・・・・ 100g

ヨモギの葉・・・・・・・・・・・・50g

沖縄の海水塩青い海・・・小さじ1と1/2

醤油・・・・・・・・・・・・・小さじ1

◆作り方

①    米は30分前に洗って水気を切っておく。

②    ヨモギの葉は、水の中でもみ洗いする。

③    豚バラ肉は丸ごと茹でて食べやすく切る。

④    鍋に米と鰹だし、豚だし、豚バラ肉、ヨモギを入れて混ぜ合わせ、火にかけて沸騰するまでは強火で煮て、アクを取って弱火で煮る。米が炊けて柔らかくとろみがついてきたら、沖縄の海水塩青い海、醤油で調味し5分程弱火で煮て、火を止める。

いろいろな栄養が豊富で、野草としても採取しやすい「ヨモギ」を食べて健康維持に役立てましょう。

山城 尚子

<管理栄養士・ソルトコーディネーター・だしソムリエ認定講師>

 第1回「石垣島ピパーツレシピコンテスト」石垣市観光協会長賞、第27回新報音楽コンクール第2位(声楽)。
 沖縄の塩の美味しさと素晴らしさを伝えたいと、積極的に塩を紹介しています。塩は料理のまとめ役で、食材と塩の組み合わせが良いと、塩の量を少なくでき、美味しさがアップします。
 沖縄県民の健康を願い、美味しくキレイに痩せるダイエット料理や料理の基本となるだしを使った風味豊かな料理を提案しています。栄養と音楽と美容の三本柱で活動していきます。沖縄の心を料理で表現したいと心がけています。

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