はちみつ

はちみつ

category:調味料の知恵袋

2019年5月28日

はちみつは、みつばちが花から花蜜をとって運び、口から酵素を出して処理し、巣に貯えた蜜のことです。これを人間が採取してはちみつとして使用します。

【歴史】

「はちみつの歴史は人類の歴史」というイギリスの諺があるように、古くから、食用や薬用などのいろいろな用途に用いて来ました。人類は約1万年前から、野生のみつばちの巣からはちみつを採集してきましたが、やがて養蜂(みつばちを飼育してはちみつを得る方法)によってはちみつを採集するようになりました。採集したはちみつには微量の花粉や巣の破片が含まれています。流通しているはちみつの多くが、それを濾過した後に容器に詰めています。

日本における養蜂の始まりについては「日本書記」643年のくだりに出てくる「百済の太子余豊、蜜蜂の房四枚を持って三輪山に放ち、養う。しかれどもついにうまわらず。」という記載があります。これは百済人の余豊が、奈良の三輪山で養蜂を試みたが失敗に終わったということです。これが日本の養蜂の始まりと一般的に言われています。

沖縄で最初に養蜂を始めたのは1954年、那覇市首里の某養蜂園からです。

【種類】

はちみつには、はちが採取した花によりそれぞれ特有の香りがあります。れんげ、なたね、にせアカシア、みかん、そば、くり、クローバーなどのはちみつがありますが、日本人にはれんげからとったものが好まれるそうです。

【表示】

「はちみつ類の表示に関する公正競争規約」において「はちみつ類」とは、はちみつ、加糖はちみつ、精製はちみつ、巣はちみつ及び巣はちみつ入りはちみつをいいます。

はちみつ:みつばちが植物の花蜜を採集し、巣房に貯え熟成した天然の甘味物質のことです。精製はちみつ又はローヤルゼリー、花粉、香料、果汁もしくはビタミンを加えたものを含みます。

加糖はちみつ:はちみつに異性化液糖、その他の糖類を加えたもので、はちみつの含有量が60%以上のものを言います。

精製はちみつ:はちみつから臭い、色などを取り除いたものです。

巣はちみつ及び巣はちみつ入りはちみつ:「巣はちみつ」とは、新しく作られ

て幼虫のいない巣房にみつばちによって貯えられたはちみつで、巣全体又は一部を封入したまま販売されるものを言います。「巣はちみつ入りはちみつ」とは、はちみつに巣入りはちみつを入れたものです。

【選び方】

・商品のラベルを確認します。原産地名、原料名、採蜜花名をチェックします。

・養蜂場、養蜂家が明記されているはちみつを選びます。

・透明度が高いはちみつは避けます。普通は花粉などが混入しているので濁っていることが多いのです。

【甘味】

甘味の強さは砂糖の約80%です。

【使用上の注意点】

①   はちみつの糖と鉄

原料の花の蜜の甘味成分はショ糖で、はちの唾液中の酵素インベルターゼによって果糖とブドウ糖に分解され、さらに濃縮されます。冬季に白く濁るのはブドウ糖が結晶化したもので、温めると溶けて透明になります。はちみつは花蜜が材料であるため、その中に含まれる鉄分もはちみつの中に混入します。その為、紅茶のようにタンニンを含む飲料にはちみつを加えると、鉄とタンニンが反応し、黒い沈殿物を生じるので注意しましょう。

②   乳児ボツリヌス症とはちみつ

乳児ボツリヌス症は、口から入ったボツリヌス菌が腸管内で増え、毒素を作ることで便秘や脱力、呼吸困難などを引き起こす感染症です。乳児ボツリヌス症の原因食品の大半は、はちみつで、1987年に厚生省(当時)が1歳未満の乳児にはちみつを与えないように都道府県に通知しています。乳児ボツリヌス症は1歳未満の乳児がかかります。2017年3月、東京で家族が乳児にはちみつを与えてはいけないことを知らなかった為に、はちみつ入りの離乳食を摂取した生後6カ月の乳児が乳児ボツリヌス症で死亡した例があります。

【栄養】

主成分は炭水化物で約82%を占めます。糖質はブドウ糖と果糖で、果糖の方がやや多いため、甘味を強く感じます。はちみつは糖質の他にビタミンB2、B6、パントテン酸などのビタミン類とカリウム、カルシウム、リン、鉄など各種のミネラルを含んでいます。

「はちみつ 100g当たり」

エネルギー303kcal、水分17.6g、たんぱく質0.3g、炭水化物81.9g、カリウム65mg、カルシウム4mg、マグネシウム2mg、リン5mg、鉄0.2mg、マンガン0.21mg、ビタミンB2 0.01mg、ナイアシン0.3mg、ビタミンB6 0.02mg、葉酸7μg、パントテン酸0.12mg。

(『日本食品標準成分表2015年版(七訂)』)

【料理方法】

パンやパンケーキにつけたり、きんとん等に甘味料として使われます。照り焼きのタレにしょうゆと混ぜて使うときれいなつやが出ます。その他に飲料ではレモンやワインと混ぜてもよく合います。

今回は、家庭で作りやすい「はちみつチキンのグリル」をご紹介します。

 ◆材料(2人分)

鶏もも肉・・・・・・大1枚(300g程度)

【A】

にんにく(すりおろし)・・・ 小さじ1/2

生姜汁・・・・・・・・・・・・小さじ1

はちみつ・・・・・・・・・・・大さじ1

ナンプラー・・・・・・・・・・大さじ1

ごま油・・・・・・・・・・・・小さじ2

沖縄の海水塩青い海・・・・・ 小さじ1/2

こしょう・・・・・・・・・・・・・ 少々
◆作り方

①   ビニール袋に【A】を入れて混ぜ、鶏肉を漬け込み、味をしっかりなじませるために肉に密着させて口を縛る。一晩冷蔵庫におく。(6時間以上)

②   天板にオーブンシートを敷いて皮側を上にして鶏肉をおき、190度に温めたオーブンで20分間焼く。

③   食べやすい大きさに切って皿に盛る。

はちみつの奥行きのある甘味をいろいろな料理(ドレッシングやタレ等)に使ってみてはいかがでしょう。

山城 尚子

<管理栄養士・ソルトコーディネーター・だしソムリエ認定講師>

 第1回「石垣島ピパーツレシピコンテスト」石垣市観光協会長賞、第27回新報音楽コンクール第2位(声楽)。
 沖縄の塩の美味しさと素晴らしさを伝えたいと、積極的に塩を紹介しています。塩は料理のまとめ役で、食材と塩の組み合わせが良いと、塩の量を少なくでき、美味しさがアップします。
 沖縄県民の健康を願い、美味しくキレイに痩せるダイエット料理や料理の基本となるだしを使った風味豊かな料理を提案しています。栄養と音楽と美容の三本柱で活動していきます。沖縄の心を料理で表現したいと心がけています。

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