「マンゴー」(ウルシ科 マンゴー属 英語:Mango)

「マンゴー」(ウルシ科 マンゴー属 英語:Mango)

category:料理のあれこれ

2019年8月13日

 

夏のフルーツの王様と言われるマンゴーは、濃厚な甘味と特有な香りが人気です。原産地は、インドからインドシナ半島にかけての熱帯地域です。インドやミャンマーでは4000年以上前から栽培されており、500以上の品種が世界で栽培されているそうです。

【歴史】

日本には明治初期に鹿児島県に持ち込まれたのが最初のようです。本格的な栽培が始まったのは1970年代頃だそうです。沖縄県には明治時代の中期以前に導入されていたものと推測されるという説があります。また、沖縄でのマンゴーの栽培は、園地栽培は1976年頃から、施設栽培は1978年から年々増加しています(出典:『沖縄農業』第29巻 第1号「沖縄におけるマンゴー栽培の現状と課題」、伊藝安正、1994年)。

【産地ランキングと収穫量】

日本のマンゴー収穫量は、3,805トンです。産地ランキングでは1位が沖縄県で2,035トン、2位宮崎県1,188トン、3位鹿児島県421トンです(出典:2015年 農林水産省)。沖縄県内の主産地は、豊見城市、沖縄市です。

【沖縄県産マンゴーの主な種類】

沖縄に導入されたマンゴーの品種は40種以上あります。その中でも「アーウィン種」「キーツ種」が主流です。

①   アーウィン種(アップルマンゴー)

県内へは台湾から導入されました。糖度は16度前後と高く、香りがあります。果実の重さは1個400g~500gです。果形は偏球形、果皮は鮮紅色、果汁が多く、出荷時期は6月末から8月上旬までです。出荷量が一番多く、かつ美味しい時期は7月中旬位です。甘さと酸味のバランスがよく、人気の品種です。日本人によく食べられている品種で、マンゴー生産量の9割を占めます。リンゴのように赤い色をしているので、「アップルマンゴー」と名づけられました。

②   キーツ種(キーツマンゴー)

晩生で「幻のマンゴー」と呼ばれ、糖度は18~20度とかなり高く、果実の重さは1個約750g~2kgと大玉マンゴーです。果実形は卵形で果皮は緑色で、完熟しても赤くならず緑色なので熟度が分かりにくいのが特徴です。香りが強くなり、少し黄色みがかって、実がやわらかくなれば食べごろです。繊維は少なく、甘味は強く、果汁は多く、出荷時期は8~10月です。生産量は少なめです。果皮の一部が赤くなるものもあります。

【美らマンゴー】

今年、6月東京・大田市場で南部地区産「美(ちゅ)らマンゴー」が初競りで2個入り(1kg)20万円の高値となったそうです。美らマンゴーは、「糖度15度以上」「3Lサイズ以上」「色が真紅」「濃厚な味わいと風味」「沖縄県産」である等の厳しい基準を満たした沖縄産マンゴーの最高級ブランドです。2015年から出荷できるようになりました。県産全体で収穫されるマンゴーの約0.01%しか出荷されません。出荷ピークは7月中旬~下旬です。主に贈答品として販売されています。このように希少価値のあるマンゴーのブランドは、他県マンゴーとの差別化を図るために進められています。

【マンゴーの日】

沖縄県では、マンゴーの収穫最盛期が7月中旬ごろから始まるため7月15日を「マンゴーの日」として、沖縄県農水産物販売促進協議会が制定しました。県内各地で販売促進キャンペーンを実施しています。

【選び方】

マンゴーの果皮に張りと全体的にツヤがあり、鮮やかな色でふっくらとして、芳香があり、シワや斑点がないもの、指で押すとやわらかい感じがするものを選びましょう。収穫したての新鮮なものには、果皮に白い粉(ブルーム)が付いています。食べごろになると消えて艶が出てきます。

【保存】

完熟したマンゴーはポリ袋に入れて野菜室に保存します。食べる前に2~3時間冷蔵庫で冷やします。まだ完熟していない場合は、常温22~25℃で追熟を行います。甘い香りが強くなり、指先で触ったときにやわらかさを感じたら完熟しています。追熟の進行が止まりますので、完熟したもの以外は、冷蔵庫で冷やさないようにします。

【カットの方法】

マンゴーは真ん中に大きく平たい種が1個入っています。その種を避けるように、両端から約1/3の部分をカットします。両サイドの果肉はそのままスプーンですくって食べてもいいです。ひと口サイズにしたい場合、表面に格子状に切り目を入れて底から上に両手で押し上げてください。さいの目状に果肉が出て食べやすくなります。

【注意する点】

マンゴーはウルシ科の植物ということもあり、ウルシの「ウルシオール」に似た「マンゴール」という接触性皮膚炎(かぶれ)の原因となる成分を含んでいます。人によっては、果汁に触れると痒みやかぶれが起きることがありますのでご注意ください。

【栄養】

ビタミンC、カリウム、β-カロテン(体内でビタミンAに変わる)、葉酸を多く含んでいます。また、パパイヤと同じ消化酵素を含んでいます。冷凍して食べると、マンゴーの細胞膜が破壊され、マンゴーに含まれている「フィセチン」という成分が吸収されやすくなり、認知症を予防する効果が期待できると言われています。

【マンゴーの可食部100g当たりの成分】

エネルギー64kcal、水分82.0g、たんぱく質0.6g、脂質0.1g、炭水化物16.9g、食物繊維総量1.3g、カリウム170mg、カルシウム15mg、マグネシウム12mg、リン12mg、鉄0.2mg、β-カロテン610μg、ビタミンB1 0.04mg、ビタミンB2 0.06mg、ビタミンB6 0.13mg、葉酸84μg、ビタミンC 20mg。

(『日本食品標準成分表2015年版(七訂)』)

【食べ方と利用法】

生食の他にジュース、シャーベット、アイスクリーム、プリン、ケーキ、ゼリー、ジャム、ピューレ、缶詰、ドライフルーツ、冷凍等の各種デザートや加工品に使用されます。

夏の贈答品にマンゴー、家庭でのおやつにマンゴーと南国のフルーツの味を楽しみましょう。

 

山城 尚子

<管理栄養士・ソルトコーディネーター・だしソムリエ認定講師>

 第1回「石垣島ピパーツレシピコンテスト」石垣市観光協会長賞、第27回新報音楽コンクール第2位(声楽)。
 沖縄の塩の美味しさと素晴らしさを伝えたいと、積極的に塩を紹介しています。塩は料理のまとめ役で、食材と塩の組み合わせが良いと、塩の量を少なくでき、美味しさがアップします。
 沖縄県民の健康を願い、美味しくキレイに痩せるダイエット料理や料理の基本となるだしを使った風味豊かな料理を提案しています。栄養と音楽と美容の三本柱で活動していきます。沖縄の心を料理で表現したいと心がけています。

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