アンチョビ

アンチョビ

category:調味料の知恵袋

2019年11月26日

アンチョビは、カタクチイワシ科の小魚で、地中海、南アフリカ、ペルーなどで獲れます。元来は魚の名前ですが、普通はそれを塩漬けし、熟成、発酵し、オリーブオイルなどの油に漬けたものをいいます。うま味が強く、塩や醤油などの代わりに調味料としても使えます。独特の香りと塩気が特徴でイタリア、スペイン料理には欠かせない食材のひとつです。オードブルや洋風魚料理やサラダ、ピザのトッピング、ドレッシング、バーニャカウダーソースなどに用いられます。

【歴史】

ローマ時代のガルム(魚の内臓を細切れにし塩水に漬けて発酵させて作る)と呼ばれる魚醤(ぎょしょう)がアンチョビの起源と言われ、ローマ帝国の衰退とともにガルムも姿を消しましたが、その名残がアンチョビとして残っているとされています。

【形態】

次のように大きく3種類に分けられます。

①   フィレ状・・・3枚おろしにしたそのままの形をしています。パスタやピザなどに隠し味に使われます。缶詰や瓶詰めで販売されています。

②   ロール状・・・ケイパー(フウチョウボク科の木のつぼみのピクルス)などが巻かれ、オードブルのトッピングなどに使われます。缶詰や瓶詰めで販売されています。

③   ペースト状・・・ドレッシングなどに混ぜるソースとして使われます。チューブに入っています。

【製造方法】

各国や各メーカーによって塩漬けの時間や熟成期間、大きさの選定など製造工程に多少の違いがあります。次は一般的な工程です。

①   獲れたての新鮮なアンチョビ(カタクチイワシ)を塩で洗い、塩水に漬けます。

②   塩水からアンチョビを取り出して、塩に漬けます。

③   頭を取ります。

④   容器に入れて熟成させます。(約半年から1年)

⑤   熟成させたアンチョビの皮を網で擦り落とします。

⑥   内臓と尻尾を切り落とします。

⑦   一度水洗いし、布に包んで絞って乾かします。

⑧   一匹ずつ手作業で身を開いて骨を取り、形をととのえて容器に入れます。

⑨   オリーブオイルなどを加えて蓋をして完成です。

【オイルサーディンとの違い】

アンチョビは頭と内臓を取り除いて3枚おろしにして、塩蔵後にオイルに漬けた非加熱のもので、独特の香りがあります。一方、オイルサーディンは、カタクチイワシの頭と内臓を抜いたものを油で煮込んだものですので、独特の香りは弱く、塩気も少ないです。料理に使うよりもそのまま食べるのが一般的です。

【選び方】

おすすめのアンチョビの条件は、「油っぽくない」「臭くない」「塩辛さが控えめ」です。この条件に近いのは瓶詰で、エキストラバージンオイルを使用したアンチョビです。缶詰の場合、製造工程で高温になるので油っぽくなります。瓶詰の場合、低温加熱なので油っぽくないのです。

【保存】

アンチョビは、常温で放置すると発酵が進み溶けてしまいます。缶詰、瓶詰、未開封の場合は冷暗所で保存します。開封後は、瓶詰めの場合、空気にできるだけ触れないようにきちんと蓋を閉めてから冷蔵庫保存にします。缶詰の場合は、必ず缶から取り出して、ガラス瓶や蓋つき容器に移してから、冷蔵庫保存にします。どちらの場合もアンチョビがオイルから出ないようにします。約1か月で使い切るようにします。

【使い方】

塩気が強いので、味を見ながら、少しずつ加減して使うと良いです。塩辛く、濃厚な味なのでそのまま使うのではなく、料理に混ぜて使うことが多いです。パスタ、ピザ、サラダの調味に使われます。野菜炒めなどの料理に使うとうま味やコクがプラスされ美味しく食べることができます。

【栄養】

アンチョビには骨を形成するカルシウムが多く含まれています。カリウム、マグネシウム、リン、鉄、亜鉛などのミネラルも含まれています。注意すべき点は食塩量が多いことです。減塩中の人は気をつけましょう。

「アンチョビ 100g当たり」

エネルギー 158kcal、水分54.3g、たんぱく質24.2g、脂質6.8g、炭水化物0.1g、食物繊維0g、ナトリウム5200mg、カリウム140mg、カルシウム150mg、マグネシウム39mg、リン180mg、鉄2.6mg、亜鉛3.7mg、ビタミンD 1.7mg、α-トコフェロール1.9mg、ビタミンB2 0.31 mg、ナイアシン当量10.7mg、ビタミンB6 0.21mg、ビタミンB12 14.5μg、食塩量13.1g(『日本食品標準成分表2015年版(七訂)』)。

 【料理】

「アンチョビとガーリック野菜炒め」をご紹介します。

 ◆材料(4人分)

アンチョビ缶詰・・・・・1缶

じゃがいも・・・・・・・2個

ブロッコリー・・・・・・1/2個

玉ねぎ・・・・・・・・・1個

にんじん・・・・・・・・30g

ベーコン(スライス)・・・20g

にんにく・・・・・・・・2かけ

鷹の爪(輪切り)・・・・ 少々

沖縄の海水塩青い海・・・少々

黒コショウ・・・・・・・少々

◆作り方

①   じゃがいもは2cm角切りに、ブロッコリーは小房にして、固めに茹でます。

②   玉ねぎを薄切りにします。にんじんは薄い半月切りにします。ベーコンは1cm幅に切ります。

③   フライパンにアンチョビ缶詰の油を入れて、薄切りにしたにんにく、鷹の爪、ベーコンを入れ焦がさないように炒め、一度取り出します。

④   ③のフライパンで玉ねぎと細かく切ったアンチョビを炒めます。

⑤   玉ねぎが透き通ってきたら①とにんじん、③を加えて炒めます。沖縄の海水塩青い海、コショウ各少々で味をととのえます。

⑥   じゃがいもに火が通ったら、器に盛ります。

独特のうま味と香りで塩気のあるアンチョビを、いろいろな食材と組み合わせてみてはいかがでしょうか。

 

山城 尚子

<管理栄養士・ソルトコーディネーター・だしソムリエ認定講師>

 第1回「石垣島ピパーツレシピコンテスト」石垣市観光協会長賞、第27回新報音楽コンクール第2位(声楽)。
 沖縄の塩の美味しさと素晴らしさを伝えたいと、積極的に塩を紹介しています。塩は料理のまとめ役で、食材と塩の組み合わせが良いと、塩の量を少なくでき、美味しさがアップします。
 沖縄県民の健康を願い、美味しくキレイに痩せるダイエット料理や料理の基本となるだしを使った風味豊かな料理を提案しています。栄養と音楽と美容の三本柱で活動していきます。沖縄の心を料理で表現したいと心がけています。

同じカテゴリの記事

同じカテゴリの投稿は見つかりませんでした。