とうもろこし
category:シママース通信
2020年6月09日
とうもろこしは、イネ科トウモロコシ属の1年生植物です。世界三大穀物(小麦、米、とうもろこし)の一つで、人間の食糧や家畜の飼料となる他、コーンスターチ(とうもろこしでんぷん)や油、バイオエタノール(自動車燃料)の原料としても重要です。南米や中央アフリカでは主食として食べられています。とうもろこしは日本各地域によってさまざまな呼び方があり、「とうきび」(北海道)、「なんばん」(近畿地方)など約200種類以上もあるそうです。旬は初夏から夏、6月~8月です。
【歴史】
とうもろこしの原産地はメキシコなどの中南米と言われています。15世紀末に新大陸を発見したコロンブスがアメリカ大陸からヨーロッパに持ち帰って広まりました。日本へは1579年にポルトガル人によって伝えられました。それ以前に中国から伝わった「もろこし」という植物に似ていたことから「唐(舶来)のもろこし」という意味で「とうもろこし」となりました。
【生産地】
平成30年(2018年)産都道府県別のとうもろこし(スイートコーン)の収穫量は、1位北海道83,600トン、2位千葉県17,100トン、3位茨城県15,000トンとなっています。(農林水産省「作物統計」より)
【種類】
年々品種改良が進み、より甘みが強く、そして生のまま食べられるとうもろこしが増えてきています。スイートコーンの白粒種などは糖度15度前後になり、非常に甘いと人気があります。
① スイートコーン(甘味種)・・・一般的に食用とされている品種で、とうもろこしの中でも特に甘みが強い品種です。ゴールデンコーン(黄粒種)、シルバーコーン(白粒種)、バイカラーコーン(バイカラー種)の3種類があります。
② ポップコーン(爆裂種)・・・お菓子のポップコーンを作る際、使用する品種です。爆裂種は乾燥すると、粒の皮が非常に硬くなります。硬い粒が加熱によって、粒の中の水分が水蒸気となり膨張し、皮が圧力に耐えきれず、硬い皮が弾けて膨張します。
③ デントコーン(馬歯主)・・・乾燥させて、牛や豚、鳥などの家畜の飼料として利用される品種です。成長過程で糖質がデンプンに変わります。そのデンプンはコーンスターチとして利用されます。
④ フリントコーン(硬粒種)・・・加工して食用または家畜用飼料や工業用の原料に利用されます。メキシコ料理タコスのトルティーヤの原料に使われます。
⑤ ワキシーコーン(もち種)・・・別名「もちとうもろこし」と言います。粒の中のデンプンにもち性があり、若いうちに収穫して蒸すと、もちもちとした食感があります。完熟させると、粒の外観がワックスをかけた様なのでそう呼ばれています。
⑥ ソフトコーン(軟粒種)・・・粒の大部分が柔らかいデンプンで形作られていて、実がくだけやすく断面が粉状になるのが特徴です。含まれているデンプンの大部分がしなやかで濃度の薄いものであるので、粉に挽きやすい種類と言われています。
【選び方】
とうもろこしは鮮度落ちが速い食材で、1日経つと美味しさが半減すると言われていますので、採れたての物を選びましょう。皮付きで、皮の色が鮮やかで緑色のものを選びます。ひげはふさふさと沢山ついているものが、とうもろこしの粒が多いです。また、ひげはしっとりしていて乾燥していないもの、手で持った時に重みを感じるものを選びましょう。
【保存】
とうもろこしは生と茹でたものでは保存方法が違います。
- 生の場合の保存方法
・冷蔵庫保存の場合は、皮をつけたままキッチンペーパーで包んで、冷蔵庫の野菜室に立てて保存します。保存の目安:2~3日。
・冷凍保存の場合は、1本ずつ皮付きのままラップに包んで、更にポリ袋か、冷凍用保存袋に入れて冷凍庫に保存します。解凍する際は、ラップしたまま電子レンジで加熱するか、ラップをはずして茹でます。また、煮る、焼くなどの調理をする場合は、冷凍のまま使います。保存の目安:約2か月。
- 茹でたとうもろこしの保存方法
・冷蔵庫保存の場合、茹でたとうもろこしが熱いうちに、1本ずつラップに包み、粗熱を取ってから冷蔵室に入れ保存します。保存の目安:3~4日。
・冷凍保存の場合、かために茹でてから3~4cmの輪切りにするか、または粒だけをはずして、水気をよく拭き取ります。それを保存容器や冷凍用保存袋に入れて冷凍庫で保存します。粒だけの場合は、空きペットボトルに入れると便利です。調理する際は、凍ったまま調理できます。保存の目安:約1か月。
【栄養】
とうもろこしはカリウムなどのミネラル、ビタミンB群などのビタミンもバランスよく含まれています。食物繊維は多く、カロリーは高めです。
「とうもろこし(スイートコーン) 生 100g当たりの成分」
エネルギー92kcal、水分77.1g、たんぱく質3.6g、脂質1.7g、炭水化物16.8g、食物繊維総量3.0g、カリウム290mg、カルシウム3mg、マグネシウム37mg、リン100mg、鉄0.8mg、亜鉛1.0mg、マンガン0.32mg、β-カロテン当量53μg、ビタミンK 1μg、ビタミンB1 0.15 mg、ビタミンB2 0.10mg、葉酸95μg、ビタミンC 8mg、食塩相当量0g。
(『日本食品標準成分表2015年版(七訂)』)
【調理法と料理】
生で食べることができますが、その場合は新鮮なとうもろこしを選びましょう。加熱方法は電子レンジにかける、茹でる、焼く、煮る、炒める等があります。
料理は、サラダやスープ、コロッケ、炒め物、炊き込みご飯、パスタ、シチュー、鉄板焼き、バーベキューなどです。
(レシピ)
「とうもろこしご飯」を紹介します。お弁当に入れることもできます。
◆材料(4人分)
米・・・・・・・・・・・300g
とうもろこし・・・・・・1本
水・・・・・・・・・・・400ml
沖縄の海水塩青い海・・・小さじ1/2
◆作り方
① 米を洗い、ざるにあげ30分おく。
② とうもろこしは皮を剥いて、実をはずす。
③ 炊飯器の内釜に①、②を加えて、水と塩を入れて混ぜて、炊飯器で普通に炊く。
④ 炊き上がったら、10分蒸らして軽く混ぜる。
今が旬の甘いとうもろこしを食事に取り入れて楽しみましょう。
山城 尚子
<管理栄養士・ソルトコーディネーター・だしソムリエ認定講師> 第1回「石垣島ピパーツレシピコンテスト」石垣市観光協会長賞、第27回新報音楽コンクール第2位(声楽)。
沖縄の塩の美味しさと素晴らしさを伝えたいと、積極的に塩を紹介しています。塩は料理のまとめ役で、食材と塩の組み合わせが良いと、塩の量を少なくでき、美味しさがアップします。
沖縄県民の健康を願い、美味しくキレイに痩せるダイエット料理や料理の基本となるだしを使った風味豊かな料理を提案しています。栄養と音楽と美容の三本柱で活動していきます。沖縄の心を料理で表現したいと心がけています。
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