梅干し

梅干し

category:料理のあれこれ

2020年8月11日

梅干しは、古くから食べられてきたウメの実の塩漬けのことです。数百年経っても腐らない我が国を代表する漬物です。日本ではおにぎりやお弁当に使われる食品であり、健康食品として知られます。「梅(梅干し)はその日の難のがれ」という諺があるように、梅干しは昔から病気の予防に使われてきました。

【歴史】

中国原産のウメが日本に伝わったのは古代にさかのぼり、平安時代に塩漬けの梅干しが作られるようになったとされています。梅干しは日本が発祥地です。戦国時代には戦場での傷の消毒や食中毒などの予防の他、梅干しを見ることで唾液の分泌を促すなど、陣中食としても重宝されたそうです。江戸時代には赤シソで着色した梅干しが登場し、庶民の食卓に広まったそうです。

【製法】

伝統的な製法では、6~7月に収穫した完熟ウメを約1か月塩漬けにした後、数日間天日干し(土用干し)します。この塩のみで作られた梅干しは保存性に優れており、最古のものではなんと安土桃山時代の1576年につけられた梅干しが現存しているそうです。

【保存期間】

伝統製法のものでしたら、保存容器に入れ、冷暗所で数百年以上です。店頭で販売されている梅干しは伝統製法でない場合(減塩タイプ等)がありますので、冷蔵庫で保存し、賞味期限を守りましょう。

【消費量】

2019年の全国の梅干しの消費量(都道府県民が梅干し1個15gを何個食べたか)ランキングでは、1位佐賀県30.4個、2位宮城県26.2個、3位千葉県25.7個でした。沖縄県は9位で19.1個でした。(総務省統計局「家計調査」より)

【種類】

一般的な梅干しは①②に分けられ、梅干しに類似したものには③④があります。

①   梅干し(塩漬)

完熟したウメを塩漬けした後、3~4日ほど日干し(土用干し)したものです。土用干しののち本漬けしたものが伝統的な梅干しです。無着色のものは「白梅干し」「白梅漬」と呼びます。

②   調味梅干し

白梅漬を塩抜きして、赤じそや鰹節、昆布、蜂蜜などで味付けしたものです。(しそ梅、鰹梅、昆布梅、はちみつ梅など)減塩調味を施したものが多いです。

③   カリカリ梅

青く固い小梅を使い、カルシウム(卵の殻)を使うことで、果肉に含まれるペクチンがペクチンカルシウムとなって水溶化して柔らかくなることを防ぎ、カリカリとした食感を残すように漬け込んだ、調味梅漬けのことです。天日干しをしないので梅干しではありません。

④   干し梅

梅干しをさらに乾燥させて作ったお菓子です。甘味料が加えられて普通の梅

干しよりも甘酸っぱい味付けです。台湾では、お茶うけや子どものおやつです。話しがはずむことから話梅(ホワメイ)と呼ばれています。発祥地といわれる中国では話梅(ワームイ)と呼ばれています。日本には沖縄県を通じて台湾から輸入されていました。1981年に沖縄県内のお菓子屋が甘味料にステビアを使用した干し梅を製造し、土産品として販売されています。

【食べ方】

おにぎりの具、お粥、炊き込みご飯、和え物、おつまみ、サラダのドレッシング、青魚の梅煮、梅ソースなど。

【活用】

梅干しは、おかゆに梅干しをトッピング、昆布茶に入れて飲むと風邪予防になります。また、お弁当に入れて腐敗防止に役立ちます。

【栄養と健康効果】

梅干は、塩分が強いので摂取量に気をつけましょう。梅干し1個15gの食塩量は3.3gですので、1日1粒がよいでしょう。

また、健康効果には疲労回復に役立つクエン酸やリンゴ酸などの有機酸を含んでいます。梅の酸味成分であるクエン酸には、熱中症予防や唾液の分泌を促して食欲を増進させる働きもあります。さらに、胃液などの消化酵素の分泌を高めて消化吸収を助けてくれます。他にも梅に微量に含まれるピクリン酸が便秘改善に役立ちます。クエン酸、リンゴ酸、ピクリン酸などの有機酸は、酸性に傾きがちな体を弱アルカリ性へ保ってくれます。

「梅干し 塩漬100g当たりの成分」

エネルギー33kcal、水分65.1g、たんぱく質0.9g、脂質0.2g、炭水化物10.5g、食物繊維総量3.6g、ナトリウム8700mg、カリウム440mg、カルシウム65mg、マグネシウム34mg、リン21mg、鉄1.0mg、亜鉛0.1mg、銅0.11mg、マンガン0.23mg、β-カロテン当量83μg、αトコフェノール0.3mg、ナイアシン0.4mg、葉酸1μg、ビオチン0.7μg、ビタミンC 0mg、食塩相当量22.1g。

(『日本食品標準成分表2015年版(七訂)』)

【料理】

家庭で作れる「梅干し(白梅干し)」の作り方を紹介します。

◆材料

完熟ウメ・・・・・・・・・・・・・2kg

沖縄の海水塩青い海 あらじお・・・360g

◆準備

密封できる瓶・フタつき(5リットル用)、竹串(数本)、ビニール袋(2枚)、竹ザル(天日干し用・平らで大きめのもの)

◆作り方

① ボウルに水を入れてウメをひとつずつ丁寧に洗います。

② 水気を軽く拭き取ります。

③ 水気を拭き取ったウメと沖縄の海水塩青い海 あらじお(2/3)を瓶に交互に入れていきます。

最後に残った沖縄の海水塩青い海 あらじお(1/3)をウメの上にウメを覆うようにのせます。

④ ウメの重石の代わりに水とビニール袋を使います。ビニール袋を二重にして、瓶に入れ、ビニールの中に水を注ぎま す。瓶のふちまで重みがかかるようにします。カビ防止に重しをした上から、焼酎を霧吹きします。

⑤  ウメ酢が2~3日で上がってきます。ウメ酢に漬かったまま1か月冷暗所に保管します。

⑥  ボウルに水を入れ、⑤の瓶からウメを潰さないようにして取り出して、移し入れ、軽く流水で水洗いします。

⑦  竹ザルにウメ同士がくっつかないように、一粒ずつ間隔を少し空けて並べていきます。約2日間、日当たりのよい場 所に天日干しします。毎日夕方には屋内に取り込みます。

⑧  2日間干した後は、返しをします。朝、屋外に出す前に一粒ずつひっくり返して、裏側が上になるようにしてから天 日干しをします。ウメを返してからさらに2日間天日干しをします。天日干しは、表側2日間と裏側2日間で合計4日 間になります。

⑨  干しあがったウメはザルにのせたまま家の中に取り込んで、翌日まで置くとウメの熱も取れて皮がザルから離れやす くなっています。その後、フタができる容器に入れます。そのまま3か月熟成させると塩角(しおかど)が取れて日 増しに旨味が増してきます。3か月熟成させると、塩分濃度約20%の白梅干しの完成です。長期間保存できます。

今夏の暑さには、梅干しのクエン酸で熱中症予防や疲労回復しましょう。

山城 尚子

<管理栄養士・ソルトコーディネーター・だしソムリエ認定講師>

 第1回「石垣島ピパーツレシピコンテスト」石垣市観光協会長賞、第27回新報音楽コンクール第2位(声楽)。
 沖縄の塩の美味しさと素晴らしさを伝えたいと、積極的に塩を紹介しています。塩は料理のまとめ役で、食材と塩の組み合わせが良いと、塩の量を少なくでき、美味しさがアップします。
 沖縄県民の健康を願い、美味しくキレイに痩せるダイエット料理や料理の基本となるだしを使った風味豊かな料理を提案しています。栄養と音楽と美容の三本柱で活動していきます。沖縄の心を料理で表現したいと心がけています。

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