ふりかけ
category:シママース通信
2020年8月25日
ふりかけとは、ごはんに振りかけて使う粉末状・粒子状、またはそぼろ状の調味料的な副菜のことです。食事の際、調理するというのではなく作り置きの常備菜や保存食に属するものが多く、商品化された市販品の種類も豊富にあります。また、海外でもふりかけが使用されています。アメリカ合衆国やアジアでは調味料として使われています。特にハワイでは、レストランやスーパーマーケットでもふりかけの商品(ふりかけやふりかけを使ったお菓子)や料理(調味料やトッピングとして使用)をよく見かけることができるそうです。
【歴史】
ふりかけの起源は鎌倉時代にさかのぼり、『厨事類記』によると、鯛や鮭、サメの肉を細かく切り塩干した「楚割(すわやり)」や、鰹節を花びらのように薄く削った「花鰹(はなかつほ)」の名が見出されます。これらのご飯にかけるふりかけの先駆者としては、ほかに佃煮や田麩(でんぶ)などがあげられます。第一次世界大戦中(1916年)に、軍部から持ち運び便利で栄養豊富な保存食として依頼を受けて作られたふりかけもあります。そのふりかけの主原料は、魚粉、ごま、海苔、鶏卵と塩で、現在も製造・販売されています。
【種類】
ふりかけの種類をいくつか紹介します。
① 乾燥ふりかけ
材料を乾燥後に調味したものです。家庭で作る方法は、材料を1日天日干し後にフライパンで煎って乾燥させて作ります。
② ソフトタイプのふりかけ
具がやわらかくしっとりしているふりかけです。賞味期限が乾燥タイプのふりかけより短いので、開封したら早めに食べましょう。
③ 混ぜ込むタイプのふりかけ混ぜ込みごはんの素です。減塩タイプもあります。
④ 栄養素強調タイプ・健康志向タイプのふりかけ
カルシウム、食物繊維(緑黄色野菜)、鉄、たんぱく質などを強化したふりかけです。DHA、EPA入りを表示したふりかけもあります。最近では、スーパーフードの「キヌア」「アマランサス」「えごま」等を含む雑穀入りふりかけや乳酸菌入りふりかけも販売されています。
⑤ 減塩ふりかけ
塩分を25~50%程度減塩したふりかけです。
⑥ 調味料タイプのふりかけ
七味唐辛子や山椒、ゆず胡椒、ポン酢などをふりかけにアレンジしたもので、ご飯に振りかけるだけではなく、冷奴や湯豆腐、麺類の薬味としても使えます。
⑦ その他
添加物(化学調味料、着色料、香料、甘味料)不使用やごはんにのせるタイプ、地域限定土産のふりかけ等もあります。新ジャンルでは鰻のタレを再現したふりかけやコンビニで人気のあるおにぎりを再現したふりかけも登場しています。
【消費量】
令和元年(2019年)に都道府県民1人が1年間に何袋のふりかけを消費しているのか(のりたま袋入り58gで換算)のランキングでは、1位山口県5.44袋、2位佐賀県3.76袋、3位熊本県3.74袋です。ちなみに沖縄県は47位1.93袋でふりかけの消費量が全国で最も少ない県です。(総務省統計局「家計調査」より)
【使い方】
おむすびやごはんのお供に、混ぜごはん、お弁当、お茶漬け、うどん、パスタ、鶏肉のソテー、白身魚のソテー、トーストなど料理のトッピングにも使います。
【保存】
① チャック付き袋タイプの場合
直射日光や高温多湿の場所を避けて保存します。開封後はチャックを閉めて高温の場所を避けて冷暗所に、または冷蔵庫に保管し、約2週間を目安に消費しましょう。
② ミニパックタイプ(小袋)の場合小袋の場合は、開封したら必ず使い切りましょう。
【栄養成分】
ふりかけの種類によって栄養成分に違いがありますが、1食5~7g程度の摂取となりますと、おかず1品としての栄養的意味は小さいです。また塩分を多く含むふりかけがありますので、袋の裏にある栄養成分表示で確認しましょう。次は、たまごふりかけの栄養成分をあげました。
「ふりかけ たまご100g当たり」
エネルギー450kcal、水分2.5g、たんぱく質23.4g、脂質21.9g、炭水化物39.9g、食物繊維総量5.1g、ナトリウム3600mg、カリウム490mg、カルシウム390mg、マグネシウム120mg、リン490mg、鉄4.5mg、亜鉛2.9mg、β-カロテン当量3100μg、ビタミンD 2.2μg、ビタミンK 220μg、ビタミンB1 0.29mg、ビタミンB2 0.48mg、ビタミンB12 6.2μg、葉酸170μg、ビタミンC11mg、食塩相当量9.2g。(『日本食品標準成分表2015年版(七訂)』)
【自家製レシピ】
簡単にできる「桜えびのふりかけ」を紹介します。
◆材料(作りやすい分量)
桜えび(小えび)・・・・ 10g
白ゴマ・・・・・・・・・大さじ1
焼きのり・・・・・・・・1/2枚
醤油・・・・・・・・・・大さじ1
みりん・・・・・・・・・大さじ1
沖縄の海水塩青い海・・・少々
◆作り方
① 桜えびを厚手のフライパンで乾いりする。
② ①に白ごまを加えて、軽くいる。
③ みりん、醤油、沖縄の海水塩青い海を加え、弱火で水分を飛ばす。
④ 焦がさないように火力調整し水分を飛ばしたら、バットに広げて冷ます。
⑤ のりを揉んで細かくして、④に加え混ぜる。
ふりかけをごはんに振りかけるだけでなく、いろいろな料理に使って楽しみましょう。
山城 尚子
<管理栄養士・ソルトコーディネーター・だしソムリエ認定講師> 第1回「石垣島ピパーツレシピコンテスト」石垣市観光協会長賞、第27回新報音楽コンクール第2位(声楽)。
沖縄の塩の美味しさと素晴らしさを伝えたいと、積極的に塩を紹介しています。塩は料理のまとめ役で、食材と塩の組み合わせが良いと、塩の量を少なくでき、美味しさがアップします。
沖縄県民の健康を願い、美味しくキレイに痩せるダイエット料理や料理の基本となるだしを使った風味豊かな料理を提案しています。栄養と音楽と美容の三本柱で活動していきます。沖縄の心を料理で表現したいと心がけています。
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