甘藷(かんしょ)

甘藷(かんしょ)

category:料理のあれこれ

2020年10月13日

甘藷はヒルガオ科サツマイモ属の植物です。または食用部分の塊根(かいこん:養分を蓄えている肥大した根)を指します。一般的にはサツマイモと呼ばれています。中国から日本に伝わったので唐芋(からいも)とも呼ばれていました。

【歴史】

原産地はメキシコを中心とする熱帯アメリカです。甘藷の伝播ルートはいくつかあると言われています。紀元前800~1000年頃には中央アンデス地方で栽培されていて、紀元前1000年頃には南米からポリネシアへ伝わったと言われています。16世紀にはインド、インドネシア、フィリピンへと伝わり、中国へは明代に伝えられて南部地域を中心に作られるようになりました。日本には中国から宮古島に1597年に伝わったのが最初と言われています。琉球(沖縄)では1605年から栽培が始まりました。1609年以降は薩摩の領有支配によって薩摩へと伝わりました。琉球から薩摩に伝わってサツマイモと呼ばれるようになりました。主に九州で栽培されるようになりました。江戸時代初期~中期の重なる飢饉によって、救荒作物として注目され、全国に広く普及しました。江戸幕府8代将軍の吉宗の頃に、蘭学者の青木昆陽によって全国に広まったと言われています。

【種類】

甘藷の種類は多く、高級ブランド野菜として扱われるものもあります。甘藷の特徴によって3種類に分けられます。

①   ほくほく系

粉質でほくほくした食感で上品な甘味が特徴です。紅あずま、紅こまち、紅こがね、鳴門金時、パープルスイートロード(紫芋)などがあります。

②   しっとり系

ほくほく系とねっとり系の中間です。ほどよい甘味で喉越しが滑らかです。

まるでスイーツを食べているような食感が特徴です。シルクスイート、紅まさり、めんげ芋、ひめあやか、アメリカ芋などがあります。

③   ねっとり系

スプーンで食べることができる位滑らかな口当たりと、焼き芋にすると中から蜜が出るという特徴があります。糖度が高く水分が多めで個性的です。安納芋、紅はるか、紅天使、甘太くん、いもジェンヌ、クイックスイートなどがあります

【生産】

2018年の国内産さつまいもの生産量の都道府県ランキングでは、1位鹿児島県278,300トン、2位茨城県173,600トン、3位千葉県99,800トンでした。(農林水産省作物統計)

また、世界中の生産の約9割がアジア(特に中国)で生産されています。日本では西日本が中心に生産しています。

【選び方】

全体的にふっくらと太く、傷がなくきれいな紅色をしているものを選びましょう。もったときにずっしり重いものを選びます。痩せて細い物やひげ根がたくさん残っているものは食物繊維が多いです。ねっとりした液体が出ているものは蜜が多いものです。

【食べ方】

甘藷の加熱方法には、焼く、蒸す、茹でる、電子レンジという方法があります。短時間で加熱する場合は、「電子レンジ」ですが冷めると固くなります。甘くて香ばしい香りとほくほくした食感でしたら「焼く」のが一番美味しいです。しっとりした食感を楽しむには「蒸す」のがいいです。「茹でる」場合は、甘さが少ないですが、水分が多く、ぱさつきはありません。このような特徴がありますので、用途別に加熱方法を変えると、賢く料理することができます。

【保存】

甘藷はあたたかい場所で栽培されるものなので、冷蔵庫に入れると低温障害を起こし、傷みが早くなります。新聞に包んで暗所に保管しましょう。適温は10~15℃で、18℃以上になると発芽を始めます。適温では数か月保存が可能です。

【活用法】

ほくほく系は、天ぷらや大学芋などに使います。ねっとり系は、焼き芋、焼き芋を冷まして冷凍してさつま芋ペーストを作り、アイスクリームと混ぜてサツマイモアイスにすることができます。

【料理】

甘煮、焼き芋、きんとん、天ぷら、大学芋、いも汁、サツマイモスティック、サラダ、がね(鹿児島の郷土料理でサツマイモ入りかき揚げ)、スイートポテト、サツマイモご飯などです。

【栄養と健康効果】

ビタミンC、食物繊維、ヤラピン(腸の蠕動運動を促進し便をやわらかくする)、カリウム、ビタミンE、アントシアニン(紫品種)、βカロテン(安納芋)などが含まれています。皮ごと食べると最大栄養素が取れます。皮に含まれるビタミンCやポリフェノールを摂取できます。また、皮と身の間にあるヤラピンも摂れます。

「さつまいも 塊根 皮むき 生 100g当たりの成分」

エネルギー134kcal、水分65.6g、たんぱく質1.2g、脂質0.2g、炭水化物31.9g、食物繊維総量2.2g、ナトリウム11mg、カリウム480mg、カルシウム36mg、マグネシウム24mg、リン47mg、鉄0.6mg、亜鉛0.2mg、銅0.17mg、マンガン0.41mg、β-カロテン当量28μg、α-トコフェノール1.5mg、ビタミンB1 0.11mg、ビタミンB2  0.04 mg、ビタミンB6  0.26 mg、ナイアシン0.8mg、葉酸49μg、パントテン酸0.9mg、ビタミンC 29mg。

(『日本食品標準成分表2015年版(七訂)』)

【料理】

「紫芋のきんとん」の作り方を紹介します。

◆材料(4人分)

紫芋・・・・・・・・・・・・・ 300g

パイナップル(生)・・・・・・・40g

沖縄の海水塩青い海・・・・・・小さじ1/5

砂糖・・・・・・・・・・・・・大さじ2

◆作り方

① 紫芋の皮を剥き1cm角に切り、水に軽くさらす。

② パイナップルを5mm程度の角切りにして、さっと茹でておく。

③ 鍋に、①の紫芋と砂糖、沖縄の海水塩青い海を入れ、紫芋がひたるくらいの水を加えて、中火~弱火で煮て、水気が少なくなるまで煮る。

④  煮た紫芋をつぶして火を止める。

⑤  器に盛りつけ、中央にパイナップルを飾る。

食欲の秋にビタミンCや食物繊維が豊富な甘藷をいろいろな料理に入れて楽しみましょう。

山城 尚子

<管理栄養士・ソルトコーディネーター・だしソムリエ認定講師>

 第1回「石垣島ピパーツレシピコンテスト」石垣市観光協会長賞、第27回新報音楽コンクール第2位(声楽)。
 沖縄の塩の美味しさと素晴らしさを伝えたいと、積極的に塩を紹介しています。塩は料理のまとめ役で、食材と塩の組み合わせが良いと、塩の量を少なくでき、美味しさがアップします。
 沖縄県民の健康を願い、美味しくキレイに痩せるダイエット料理や料理の基本となるだしを使った風味豊かな料理を提案しています。栄養と音楽と美容の三本柱で活動していきます。沖縄の心を料理で表現したいと心がけています。

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