イチゴ
category:料理のあれこれ
2020年12月08日
イチゴはバラ科の多年草です。イチゴの表面のツブツブは、一見種のように見えますがひとつひとつが果実です。ツブツブの中に種が入っています。一粒のイチゴは200~300個の果実が集合したものです。イチゴは果物と同じように食べられている部分は、茎の先端の花床(かしょう)が膨らんだ偽果(ぎか)です。さらに、イチゴは草本性(草の実)なので野菜として分類されます。一般的に可食部の表面は赤い色ですが、白色の品種もあります。
【歴史】
もともと石器時代から食べられていたと言われるイチゴは、ヨーロッパからアジアに生えていました。その頃のイチゴは野生イチゴですので、小粒で甘くなかったと考えられています。17世紀頃に栽培が開始されたと言われています。現在のイチゴの品種は、18世紀にオランダの農園でチリイチゴ(チリ産)とバージニアイチゴ(北米産)を交配させて生まれたものと言われています。日本にイチゴが伝わったのは、江戸時代末期で、オランダ船で長崎にもたらされたそうで当時は「オランダイチゴ」と呼ばれていました。明治時代に入ってから本格的な栽培が始まり、昭和になってやっと庶民も食べられるようになりました。
【旬】
イチゴの旬は冬ではなく春です。3月から4月頃にかけて最も甘く香りがよく、しっかりと熟します。クリスマスケーキに使われるイチゴは、農家の方が消費者のニーズに応えようと何度も品種改良し、ハウス栽培を重ね、本来の時期よりも早く出荷できるようになったものです。また品種改良によって夏から秋に収穫できるイチゴもあります。
【種類】
イチゴの主な種類は、かつては「女峰(にょほう)」や「とよのか」等少数でしたが、現在は、品種改良によって約300種類の品種が登録されているそうです。その中からあげますと、「とちおとめ」、「あまおう」、「紅ほっぺ」、「さがほのか」、「さちのか」、「章姫(あきひめ)」、「ゆめのか」、「さぬき姫」、「スカイベリー」などがあります。また果実の白い「白イチゴ」と呼ばれている品種には、「初恋の香り」、「パールホワイト」や「天使のいちご(エンジェルエイト)」などがあります。その他に果皮がピンク色で桃の香りがする「桃薫(とうくん)」があります。
【選び方】
次のポイントでイチゴを選びましょう。
・果実の色が全体的に赤く均一なものがおすすめです。
・表面に張りと艶があり、産毛のようなものが残っているものを選びます。
・ヘタは緑色が濃く、鮮やかでピンと反り返っているものが新鮮です。
・ツブツブが立っていて、イチゴ特有の香りが強いものがよいでしょう。
【生産】
2019年の国内産イチゴ生産量の都道府県ランキングでは、1位栃木県25,400トン、2位福岡県16,700トン、3位熊本県12,500トンでした。(農林水産省 作物統計2019年)
【食べ方】
イチゴの甘さはヘタと反対側の先端のほうが、糖度が高いです。まずヘタを取り外し、ヘタ側から食べると最後まで甘味を感じられます。イチゴは、食べる直前にヘタをつけたまま水洗いし、軽く水気を取り、ラップをかけて冷蔵庫で保存します。食べる前にヘタを取りましょう。
【保存】
イチゴを冷蔵保存する方法は、アルミホイルを使います。まずイチゴは傷のあるもの等を取り除き、洗わずに保存します。アルミホイルを敷き、ヘタを下にしてイチゴを並べます。イチゴ同士がくっつかないようにアルミホイルで仕切りを作ります。アルミホイルで全体を包み、冷蔵庫で約10日間保存できます。
冷凍保存の場合は、イチゴを洗ってペーパータオルで水気を拭き、ヘタを取り除いてからイチゴの重量の10%の砂糖をまぶし、保存袋に入れて冷凍保存します。約1か月保存できます。自然解凍するとシャーベットのようになってスイーツとして食べられ、また加熱するとジャムが作れます。
【活用法】
イチゴは生で食べることが多いのですが、洋菓子のトッピングやソース、和菓子として大福やどら焼きに、冷凍してスムージーなどのドリンク、サンドイッチの具、アイスクリーム、ジャムやピューレなどにも活用されます。
【栄養と健康効果】
イチゴは風邪予防や肌荒れ、ストレスに効果のあるビタミンCが豊富です。ポリフェノール(抗酸化物質)やエラグ酸(抗がん作用)を含みます。また、葉酸も多いので、妊娠初期の妊婦が摂取するとよいです。
「イチゴ 生 100g当たりの成分」
エネルギー34kcal、水分90.0g、たんぱく質0.9g、脂質0.1g、炭水化物8.5g、食物繊維総量1.4g、カリウム170mg、カルシウム17mg、マグネシウム13mg、リン31mg、鉄0.3mg、亜鉛0.2mg、銅0.05mg、マンガン0.2mg、β-カロテン当量18μg、α-トコフェノール0.4mg、ビタミンB1 0.03 mg、ビタミンB2 0.02mg、ビタミンB6 0.04mg、ナイアシン0.4mg、葉酸90μg、パントテン酸0.33mg、ビタミンC 62mg。
(『日本食品標準成分表2015年版(七訂)』)
【料理】
電子レンジで簡単に作れる「イチゴ大福」の作り方を紹介します。
◆材料(10個分)
イチゴ・・・・・・・・・・・・・中粒10個
粒あん・・・・・・・・・・・・・300g
白玉粉・・・・・・・・・・・・・200g
砂糖・・・・・・・・・・・・・・60g
沖縄の海水塩青い海・・・・・・・少々
水・・・・・・・・・・・・・・・250ml
片栗粉・・・・・・・・・・・・・適量
◆作り方
① イチゴを軽く洗い、ヘタを取り水気をキッチンペーパーで拭き、10等分に分けた粒あんで包む。
② ボウルに白玉粉、水、砂糖、沖縄の海水塩青い海を入れてよく混ぜ合わせ、耐熱容器に入れ、ラップをかけて電子レンジで600W3分30秒加熱する。
③ 電子レンジから取り出し、全体をよく混ぜたらラップをかけて、再度電子レンジで1分30秒加熱する。
④ ③が少し冷めてから手を水で濡らして、③を10個に等分する。片栗粉をまぶし、真ん中を厚めに大きく伸ばし円形にする。
⑤ ①のイチゴの頭に④を被せ、下に伸ばすように包む。手の平にのせてコロコロ回し丸め、形を整える。
クリスマスには、種類が増えビタミンCが豊富なイチゴをケーキやスイーツに入れて風邪を予防しましょう!
山城 尚子
<管理栄養士・ソルトコーディネーター・だしソムリエ認定講師> 第1回「石垣島ピパーツレシピコンテスト」石垣市観光協会長賞、第27回新報音楽コンクール第2位(声楽)。
沖縄の塩の美味しさと素晴らしさを伝えたいと、積極的に塩を紹介しています。塩は料理のまとめ役で、食材と塩の組み合わせが良いと、塩の量を少なくでき、美味しさがアップします。
沖縄県民の健康を願い、美味しくキレイに痩せるダイエット料理や料理の基本となるだしを使った風味豊かな料理を提案しています。栄養と音楽と美容の三本柱で活動していきます。沖縄の心を料理で表現したいと心がけています。
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