食用ゼラチン

食用ゼラチン

category:調味料の知恵袋

2021年3月23日

 

ゼラチンは、動物の皮や骨、すじ、魚の皮や鱗などを煮て作ります。これらの部分に含まれる不溶性たんぱく質であるコラーゲンを水とともに加熱することによって分解し水溶性にしたものです。ゼラチンの色は無地か薄黄色です。形状は板状、粉末状、顆粒状のものがあります。ゼラチンは水に浸して後に、熱湯で溶かして、冷却するとゼリー状に固まります。ゼラチンは無味で他の食材と混ぜても味への影響が少なく、消化がよく食べやすいので、子どものおやつから病人食、介護食にも使えます。また、食用の他に局所止血剤や細菌類の培養基、写真感光膜などに用い、膠(にかわ)として接着剤でも用いられています。今回は食用ゼラチンに焦点をおいて書きます。

【歴史】

食用ゼラチンの日本への伝来は、明治時代以降です。欧米の食材とともにゼラチンが導入されましたが、既に和菓子には寒天や葛粉が用いられていました。1935年頃に国内で食用に使用できる純度に精製する技術が確立して後に、食品用ゼラチンが普及しました。

【製造工程】

①   食肉工場から原料の動物の骨を集めます。

②   粉砕骨やオセイン(ゼラチンの中間原材料に加工されたもの)に加工したものをゼラチンの原料として流通し、ゼラチン工場へ運ばれます。

③   ゼラチン工場では、水洗い、温水抽出、高温殺菌、乾燥、粉砕・混合してゼラチンが出来上がります。

【用途】

ゼリー、ムース、ババロア、プリン、ヨーグルト、ホイップクリーム、グミ、マシュマロ、ソフトキャンディ、アイスクリーム、シャーベット、レンジ調理惣菜、ハム、ソーセージ、スープ、たれ、餃子、小籠包、冷凍食品、ソフトカプセル、介護食、米菓子、ワインや日本酒の清澄剤など。

【選び方】

・不快な味や臭いがなく、完全に溶けるものを選びましょう。

・板状は、色が淡く透明で厚さが一定のもの。

・粉末状は、透明で湿気を帯びていないもの。

【保存】

密閉して常温以下で保存しますが、高温多湿の環境は避けましょう。また、紫外線を大量に当てると不溶性になります。開封したゼラチンは変質しやすいので、早めに使い切りましょう。

【使い方のポイント】

①   ゼラチンの溶かし方は、水に浸してふやかしてから加熱し50~60℃程度で溶かします。

②   ゼラチンの使用量は、標準的なゼリーを作る場合、液体カップ1(200ml)に対して、粉末ゼラチンと板ゼラチンは同じ5gにします。

③   ゼラチン液にしたとき、絶対に沸騰させないように注意します。もし沸騰させると白濁します。更に強く加熱するとたんぱく質が変化し、ゼリー化しなくなりますので、沸騰しない温度で加熱を止めましょう。

④   生のパイナップルやキウイフルーツなどの果物はタンパク質分解酵素を含んでいますので、ゼリーが固まらなくなります。缶詰を使うか、または果物を煮て酵素を不活化させてから使いましょう。その他にもマンゴー、パパイヤ、いちぢく、梨、メロン等を使用する場合も気をつけましょう。

⑤   酸味の強い果物(レモン、グレープフルーツ、梅など)の果汁は酸味が強い為に、ゼリーを軟らかくします。使う場合は、ゼラチンの量を多くします。

⑥   冷やし方は、10℃以下で1時間程度冷やし固めます。

⑦   ゼラチンゼリーは融解温度が低いので室温が高いと溶けやすくなります。食べる直前まで冷蔵庫に入れておくようにします。

【アレルギー】

ゼラチンは牛の骨が原料のひとつになっている為に、牛乳や牛肉にアレルギーがある場合はゼラチンアレルギーを起こす可能性があります。食品表示基準では、ゼラチンはアレルゲン(アレルギーの原因となる抗原)を含む食品としてアレルギー表示することになっています。

【栄養】

動物の骨や皮に多く含まれるコラーゲンからゼラチンは作られています。コラーゲンはたんぱく質の一種で必須アミノ酸のリジンが多いのが特徴です。食材の組合せとしては、リジンの少ない米や小麦粉とゼラチンを一緒に食べると、必須アミノ酸のバランスが良くなり栄養価が上がります。また、コラーゲンは肌のハリや潤いを保つだけではなく、骨や髪の生成にも役立っています。

「ゼラチン 100g当たりの成分」

エネルギー344kcal、水分11.3g、たんぱく質87.6g、脂質0.3g、炭水化物0g、食物繊維総量0g、ナトリウム260mg、カリウム8mg、カルシウム16mg、マグネシウム3mg、リン7mg、鉄0.7mg、亜鉛0.1mg、銅0.01mg、ヨウ素2μg、セレン7μg、クロム6μg、モリブデン2μg、ビタミンB1 0mg、ビタミンB12 0.2μg、葉酸2μg、パントテン酸0.08mg、ビオチン0.4μg、ビタミンC 0mg、塩分相当量0.7g、(コラーゲン91,500mg)。

(『日本食品標準成分表2015年版(七訂)』)

※コラーゲンの成分値:市販のゼラチン2品の平均値

【レシピ】

ゼラチンを使った「卵チャーハン」の作り方を紹介します。

◆材料(2人分)

ゼラチン(粉末状)・・・・・・・・2.5g

温かいごはん・・・・・・・・・・400g

卵・・・・・・・・・・・・・・・2個

長ネギ・・・・・・・・・・・・・20g

植物油・・・・・・・・・・・大さじ1

沖縄の海水塩青い海・・・・・小さじ1

しょうゆ・・・・・・・・・・・適量

こしょう・・・・・・・・・・・少々

ごま油・・・・・・・・・・・・適量

◆作り方

① 卵はボウルに割り入れ溶きほぐす。長ネギはみじん切りにする。

②  フライパンに植物油を熱し、ごはんを入れる。

③  ごはんの上に溶き卵を流し入れ、ほぐしながら炒め、ゼラチンを全体に振りかけながら加え炒める。

④  沖縄の海水塩青い海、しょうゆ、長ネギ、こしょうを加えて炒め、火を止め、ごま油を回しかけてひと混ぜする。

コラーゲンがたっぷりのゼラチンを、美容と健康のためにいろいろな料理に使ってみてはいかがでしょうか。

山城 尚子

<管理栄養士・ソルトコーディネーター・だしソムリエ認定講師>

 第1回「石垣島ピパーツレシピコンテスト」石垣市観光協会長賞、第27回新報音楽コンクール第2位(声楽)。
 沖縄の塩の美味しさと素晴らしさを伝えたいと、積極的に塩を紹介しています。塩は料理のまとめ役で、食材と塩の組み合わせが良いと、塩の量を少なくでき、美味しさがアップします。
 沖縄県民の健康を願い、美味しくキレイに痩せるダイエット料理や料理の基本となるだしを使った風味豊かな料理を提案しています。栄養と音楽と美容の三本柱で活動していきます。沖縄の心を料理で表現したいと心がけています。

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