ひじき

ひじき

category:料理のあれこれ

2021年4月13日

ひじきは、漢字で「鹿尾菜」と書きます。鹿の尻尾に似ているからという説があります。ひじきは、褐藻類ホンダワラ科ホンダワラ属の海藻の一種です。日本では北海道から本州、四国、九州、沖縄まで、また国外では朝鮮半島や、中国南部に広く分布しています。沖縄県では与那原町とうるま市の海岸に生育しています。冬から春にかけて繁茂します。円柱状で多数の枝に分かれています。長さは50cm~1mです。旬は2月~5月です。

【歴史】

日本では昔から海藻を様々に利用してきました。遺跡の発掘物から、弥生人、縄文人がひじきを食していたことが分かったそうです。奈良時代には、神への供え物「神饌(しんせん)」として使われており、支配層はひじきを食べていたそうです。最古の記録として、延喜式に朝廷での貢納物としてひじきが選ばれたことが記されています。江戸幕府3代将軍徳川家光の時代に書かれた「寛永料理物語」で、ひじきの料理法は「にもの、あへもの」と記され、当時すでに現代と同じ料理法で食べられていたようです。

【加工】

ひじきの加工にはいくつかの方法がありますが、多くは「伊勢製法」という方法が用いられているそうです。

①   ひじきは春から初夏にかけて収穫します。鎌で丁寧に刈り取ります。

②   収穫したひじきを産地で天日干しし乾燥させ、袋詰めにします。

③   素干し乾燥した状態で加工業者へ運び入れ加工が始まります。

④   ひじきを洗浄後、水戻しと水洗いをします。

⑤   水洗いしたひじきを蒸します。

⑥   蒸しあげたひじきを乾燥させます。

⑦   乾燥後、異物除去などの工程を経て袋詰めをします。

【種類】

 日本で食べられている代表的なひじきは、次の3種類です。1本のひじきの原藻から採れる割合は、芽ひじきが約80%、長ひじきは約20%です。

 ①   芽ひじき・・・「米ひじき」、「姫ひじき」とも呼ばれています。ひじきの葉の部分です。口当たりよく柔らかいので、サラダや和え物に使います。

 ②   長ひじき・・・「茎ひじき」とも呼ばれています。葉を除いたひじきの茎の部分です。春先に収穫されます。歯ごたえのある部分で、煮物に適しています。

 ③   寒ひじき・・・「早採れひじき」とも呼ばれています。冬に若いひじきを刈り取って加工したものです。ツルツルした歯ざわりで、ひじきマリネやひじき煮に使います。

 【生産】

日本におけるひじきの主な産地は、長崎県、千葉県、三重県などです。国内産のひじきは全て天然ものです。国内で流通しているひじきの国内産は僅か1割程度で、残りの約9割は中国や韓国の養殖ものが輸入されています。

【ひじきの日】

三重県ひじき協同組合が1984年に制定しました。日本では昔から「ひじきを食べると長生きする」と言われており、9月15日(旧敬老の日)が「ひじきの日」となっています。

【選び方】

次のポイントでひじきを選びましょう。

・生ひじきの場合は、柔らかくてみずみずしく、ふっくらしたものを選びます。

・乾燥ひじきの場合は、色が黒々とし艶のあるもので大きさが揃っているものを選びましょう。

【保存】

・生ひじきとして市販されているものは、実は生ではなく、採取したひじきを

一度釜茹でして、天日干しして後に乾燥させたものを戻したものが生ひじきと

して売られています。生ひじきは日持ちしないので、冷蔵庫で保存しましょう。

冷蔵庫の保存期間は2日位です。早めに食べましょう。冷凍する場合は、軽く

熱湯を通して冷ましてから小分けにして冷凍します。

・乾燥ひじきは、天日干しをして乾燥させたものを言います。乾燥ひじきは水で戻すと水にひじきの色素が出ます。保存方法は、直射日光と高温多湿を避けて冷暗所で保存します。開封後は、密閉容器に入れて冷暗所に保管します。

【食べ方】

ひじき料理は、炒め煮や炊き込みご飯、佃煮、サラダ、和え物、味噌汁などに使用されます。また、卵焼きやハンバーグにひじきを混ぜる等にも利用されます。

【栄養】

ひじきには、食物繊維とナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどのミネラル、ビタミンではβ-カロテンやビタミンKが豊富な食品です。また、現在、ひじきはステンレス釜で者熟(しゃじゅく)後、乾燥するのが主流です。鉄釜の場合は鉄の含有量がひじき100g中58.2gで、ステンレス釜の9.4倍と多くなります。鉄の補給でひじきを選ぶ際は、ステンレス釜か鉄釜かを確認しましょう。

「ひじき ステンレス釜で者熟後乾燥したもの  100g当たりの成分」

エネルギー149kcal、水分6.5g、たんぱく質9.2g、脂質3.2g、炭水化物58.4g、食物繊維総量51.8g、ナトリウム1800mg、カリウム6400mg、カルシウム1000mg、マグネシウム640mg、リン93mg、鉄6.2mg、亜鉛1.0mg、銅0.14mg、マンガン0.82mg、ヨウ素45000μg、β-カロテン当量4400μg、ビタミンK580μg、ビタミンB2 0.42mg、ナイアシン当量4.4mg、葉酸93μg、ビオチン17.4μg、食塩相当量4.7g。

(『日本食品標準成分表2015年版(七訂)』)

【ヒ素について】

ひじきは日本では伝統的に食べられてきた食材ですが、ヒ素が多く含まれています。2004年7月に英国の食品規格庁(FSA)は、ひじきに無機ヒ素が多いので英国民に食べないように勧告を出しました。これに対して、日本の厚生労働省では、海藻中のヒ素で健康被害が起きたことがないことや、ひじきが栄養に富むことから、ひじきを多量摂取することは避けて、バランスのよい食生活を心がければ健康上のリスクが高まることはないと記しています。

因みにひじきの無機ヒ素を減らす方法は、3つあります。

①   乾燥ひじきを30分以上の「水戻し」で無機ヒ素は5割程度減ります。

②   乾燥ひじきを直接5分ゆでる「ゆで戻し」で無機ヒ素は8割程度減ります。

③   乾燥ひじきを水で30分戻した後に、熱湯で5分ゆでて水洗いする「ゆでこぼし」で、無機ヒ素を9割程度減らすことができます。

【料理】

「ひじき入り豆腐ハンバーグ」の作り方を紹介します。ふっくらして柔らかく、食べやすいハンバーグです。

◆材料(6個分)

豚ひき肉・・・・・・・・・・・200g

木綿豆腐・・・・・・・・・・・100g

乾燥ひじき・・・・・・・・・・3g

乾しいたけ(みじん切り)・・・・小1枚

おろし生姜・・・・・・・・・・小さじ1/2

大葉(手でちぎる)・・・・・・・5枚

片栗粉・・・・・・・・・・・・大さじ1

マヨネーズ・・・・・・・・・・大さじ1

味噌・・・・・・・・・・・・・小さじ2

沖縄の海水塩青い海・・・・・・小さじ1/5

植物油・・・・・・・・・・・・大さじ1

◆作り方

① ひじきと乾しいたけは、別々に30分程度水戻しして水気を絞ります。しいたけはみじん切りにします。

②  大きめのボウルに、豚ひき肉、木綿豆腐、ひじき、しいたけ、おろし生姜、大葉、片栗粉、マヨネーズ、味噌、沖縄の海水塩青い海を入れて、よく混ぜます。

③   ①を6等分にして、手に水を少量つけて丸め、小判型に形をととのえます。

④ フライパンに植物油をしき、②を入れて、火をつけて焼きます。2分位した ら中火で約3分ずつ両面を焼きます。中まで火が通ったら器に盛り付けます。

ミネラルたっぷりのひじきを、日々の食卓に適度に取り入れ、健康長寿を目ざしましょう!

山城 尚子

<管理栄養士・ソルトコーディネーター・だしソムリエ認定講師>

 第1回「石垣島ピパーツレシピコンテスト」石垣市観光協会長賞、第27回新報音楽コンクール第2位(声楽)。
 沖縄の塩の美味しさと素晴らしさを伝えたいと、積極的に塩を紹介しています。塩は料理のまとめ役で、食材と塩の組み合わせが良いと、塩の量を少なくでき、美味しさがアップします。
 沖縄県民の健康を願い、美味しくキレイに痩せるダイエット料理や料理の基本となるだしを使った風味豊かな料理を提案しています。栄養と音楽と美容の三本柱で活動していきます。沖縄の心を料理で表現したいと心がけています。

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