パン粉

パン粉

category:調味料の知恵袋

2021年4月27日

パン粉は、パンなどを粉状に砕いたものです。パン粉は日本発祥の加工食品で「PANKO」と呼ばれている世界共通語です。世界中で日本製のパン粉が使われています。近年、日本では「低糖質のパン粉」、「米パン粉」、「全粒粉パン粉」などの健康志向のパン粉が発売されています。

【歴史】

欧州でパン粉に似たものは「ブレッドクラムス」と呼ばれ、パン(パンくず)やクラッカーを粉砕して作る細かくて固いサラサラしたものです。その発祥は「ミラノ風仔牛肉のパン粉焼き」という北イタリア料理と言われます。15~16世紀に北イタリアからオーストリア、ドイツ、欧州全土に伝わりました。

日本では明治時代に、日本式の洋食として日本独特のパン粉ができました。パン粉の品質は戦前と戦後に大別されます。戦前は、調理人が手でパンをほぐしてフルイにかけて細粉し、天日乾燥して作っていました。戦後は食生活の洋風化によってフライ料理が多くなり、パン粉の需要が増えました。食パンの製造技術の進歩によって、良質の風味のよいパン粉が製造されるようになりました。

【パン粉の日】

日本のパン粉メーカーが8月5日をパン粉の日と制定しました。日付は「パン(8)粉(5)」と読む語呂合わせからです。

【製造法】

①   パン粉用のパンを焼きます。原料は、フライの衣として揚げたときに色が濃くなり過ぎない為に、普通の食パンよりも焼き色を薄く、また甘さ控えめになるように砂糖を少なくしています。このように、原料はできあがる料理の仕上がりの色を計算して配合しています。

②   焼きあがったパンの粗熱をとり、高速回転する刃で粉砕します。粉砕機の網の大きさを変えることで、いろいろなサイズのパン粉が作られます。

③   パン粉を袋詰めして出荷します。

【日本農林規格でのパン粉の分類】

①   乾燥パン粉・・・パン粉の内、水分が14%以下になるように乾燥したもの。

②   生パン粉・・・パン粉のうち、乾燥しないもの。

③   セミドライ(半生)パン粉・・・パン粉のうち、乾燥パン粉及び生パン粉以外のもの。

【粒の大きさによる料理法】

パン粉の粒の大きさによって使い分けることができます。

・荒目・・・トンカツ、エビフライなどボリューム感やザックリした食感を出し

たいものに向きます。主に揚げ物に使います。

・中目・・・汎用タイプで調理全般(揚げ物、つなぎ等)に使います。

・細目・・・ハンバーグ、肉団子、ミートローフ、コロッケ、串カツ、カツレツ

など小さめの食材や複雑な形状の食材に向きます。

【焼き方】

パン粉の焼き方には2つあります。

①   焙焼式・・・オーブンで焼くので、焦げ目が付きます。一般的なパン粉です。海外がルーツです。

②   電極式・・・特殊な焼き型に生地を入れて、電流を流し、生地自体を発熱させて焼き上げます。日本人が発明した方法で、焦げ目ができないため、耳がない白いパンに仕上がります。

【用途】

ハンバーグなどのつなぎ、揚げ物(エビフライ、コロッケ、トンカツなど)、冷凍食品、スープなどのとろみ付け、グラタンやキャセロール(洋風のふた付きの厚手鍋)料理の上にふりかける、おやつの材料、非常食や離乳食(パン粉かゆ)にも使えます。

【選び方】

・料理に合わせてパン粉の粒の大きさを選びます。

・原材料を確認します。食品添加物の使用、不使用を確認します。

・賞味期限を確認します。

【保存方法】

● 乾燥パン粉の場合・・・開封後は、袋口を閉めて密閉容器に入れて常温保存できますが、吸湿や虫の侵入、カビの防止の為に冷蔵保存がよいでしょう。

● 生パン粉の場合・・・開封後は、水分が多くカビが生えやすいので、使い切りできる分量に小分けにして、ラップした上で保存袋などにまとめて入れて冷凍すると便利です。

【使用上の注意点】

一度使用したパン粉は、卵や肉汁などがついてカビたり腐敗しやすいので使用しないようにします。

【アレルギー】

小麦アレルギーのリスクがあります。パン粉の原料には、小麦粉をはじめ一部に卵や乳製品、大豆が使われていることがあります。パッケージ裏面の原材料を確認して購入しましょう。離乳食に初めてパン粉を使う場合は、少量から与えましょう。

【栄養】

パン粉は、炭水化物が多く、カロリーが高いです。ナトリウム、カルシウム、マグネシウム、リン、鉄、葉酸が含まれています。

「パン粉 乾燥 100g当たりの成分」

エネルギー369kcal、水分13.5g、たんぱく質14.6g、脂質6.8g、食物繊維総量4.0g、炭水化物63.4g、ナトリウム460mg、カリウム150mg、カルシウム33mg、マグネシウム39mg、リン130mg、鉄1.4mg、亜鉛0.9mg、銅0.2mg、マンガン0.62mg、ビタミンB1 0.15mg、ナイアシン1.6mg、葉酸54μg、パントテン酸0.54mg、塩分相当量1.2g

(『日本食品標準成分表2020年版(八訂)』)

【レシピ】

「パン粉のフレンチトースト風」の作り方を紹介します。

◆材料(2人分)

乾燥パン粉・・・・・・・60g

卵・・・・・・・・・・・1個

牛乳・・・・・・・・・・150ml

砂糖・・・・・・・・・・大さじ2

沖縄の海水塩青い海・・・少々

シナモン・・・・・・・・適宜

バター・・・・・・・・・10g

◆作り方

① ボウルにバター以外の材料をすべて入れ、よくかき混ぜる 。

②  フライパンを熱してバターを溶かし、①を流し入れたら、薄く伸ばして、均等の厚みになるように円形に整える。

③  きつね色に焼けたらひっくり返して、両面を焼く。

④  器に盛り、お好みでシナモンを振ります。

日常食から非常食まで幅広く使えるパン粉をいろいろな料理に活用しましょう。

山城 尚子

<管理栄養士・ソルトコーディネーター・だしソムリエ認定講師>

 第1回「石垣島ピパーツレシピコンテスト」石垣市観光協会長賞、第27回新報音楽コンクール第2位(声楽)。
 沖縄の塩の美味しさと素晴らしさを伝えたいと、積極的に塩を紹介しています。塩は料理のまとめ役で、食材と塩の組み合わせが良いと、塩の量を少なくでき、美味しさがアップします。
 沖縄県民の健康を願い、美味しくキレイに痩せるダイエット料理や料理の基本となるだしを使った風味豊かな料理を提案しています。栄養と音楽と美容の三本柱で活動していきます。沖縄の心を料理で表現したいと心がけています。

同じカテゴリの記事

同じカテゴリの投稿は見つかりませんでした。